【部屋の間取り】風水における「鬼門」について

【部屋の間取り】風水における鬼門について

賃貸マンションの鬼門

新生活に向けて賃貸の部屋をお探しの方もいるでしょう。
その際にはぜひ意識していただきたい「鬼門」というものがあります。
今回は賃貸の部屋の間取りを選ぶ際に知っておきたい、風水における「鬼門」についてご紹介していきます。

そもそも鬼門とは?

鬼門とは

「鬼門」とは、風水・家相において不吉だとされている方角を意味しています。
これは元々中国で生まれた思想であり、その名の通り、鬼門の方角は鬼の出入りがある場所だと考えられ、避けられてきました。
また鬼門には「表鬼門」「裏鬼門」の2種類があります。
表鬼門の方角は「北東」、裏鬼門の方角は「南西」にあたります。
鬼門は陰・陽の切り替わり場所とされており、変化が起きやすい場所であると考えられています。
変化に対して不安になってしまう人の心理から、この方角は安心できないというイメージが人々の間で広まっていったのです。

風水とは?

風水とは、中国で5,000年以上前に考案された環境哲学で、人々の暮らしと自然をより良いものにするためのものを指します。
自然との調和に重きを置いた考えを持つ風水では、人が時間・タイミングや自然環境・場所などから最大限の恩恵を受けられるように現代まで受け継がれています。
風水には、「男性と女性」「昼と夜」「剛と柔」といった、反するものを陰と陽に分けた「陰陽論」や、水・木・火・土・金といった5つの属性で考えられた「五行思想」といったものがあります。
風水を取り入れて物件を選ぶ際の注意点として、日本と中国では異なる点があることです。
方角を例に取ると、日本では一般的には東西南北と南西や北東といった八方位を主に用いますが、中国ではより細分化して二四方位を使用します。
そのため、中国の風水では良いと言われている方角でも日本の風水では悪い、といったこともあります。

家相とは?

家相とは

家相とは、家の配置や方角、間取りといった「方向」から吉凶を判断する、中国発祥の考え方です。
具体的には扉の位置や家具の配置、窓の設置場所といったものを考え、どこに何を配置すれば運気が上がるといったことを伝えています。
家相では、東北方位(鬼門)と中央・西南方位(裏鬼門)を示す「三所」と、玄関・台所・トイレを示す「三備」が重要と言われています。
これらは配置によって運気が上がったり下がったりするため、賃貸物件を選ぶ際にはしばしば確認されるところでもあります。

風水と家相の違い

先述の説明では、風水と家相どちらも運気を上げるには方向や方角を考えるため、同じようなものだととらえる方もいると思います。
しかし、風水は土地の良し悪しから判断し、時間やタイミング、自然といったものからエネルギーを取り入れる考えを持ちます。
一方、家相は過去の日々からの体験から、「ここに〇〇があれば運気が上がる」「ここに〇〇があるのは良くない」といった、統計学的な考えを持ちます。

そのため、土地の良し悪しを判断する風水を家庭や間取りに限定したものを家相と言うこともできます。

間取りにおける鬼門とは?

部屋の間取りにおいては、「三所に三備を設けず」という古くからの言い伝えがあります。
この三所というものは、「表鬼門・裏鬼門・その建物の中心部」のことを指します。
三備というものは、「玄関・キッチン・トイレ」を意味しています。
つまりは、玄関・キッチン・トイレをこの鬼門の位置にしないようにすることが、家相の良い家として好まれているのです。
ただ現代の日本の住宅事情からすると、このような理想的な間取りにすることは非常に難しいとされているのが現状なのです。

人気のある「南向き」の間取りなら安心?

日本では日当たりなどの関係から「南向き」の間取りをした住宅が人気です。
南の方角にリビングなどの部屋を配置することにより、日当たりの良い部屋に仕上がっています。
しかしその一方で、水まわりは北側部分に配置されることが多いのです。
水まわりの場所としては「キッチン・トイレ・浴室」が挙げられます。
そのため人気の「南向きの間取り」であっても、どこかは鬼門の方角にかかってしまうことが多いのです。
ただ、鬼門の思想は古代中国の地形・情勢・生活上の知恵によって生まれたものであるため、時代はもちろんさまざまな条件が異なっている現代日本の家にもすべて当てはまるかというとそうではありません。
間取りにおいて、「どの程度まで鬼門を気にするか」ということは、人それぞれの考え方を尊重して良いと言えるでしょう。

鬼門による影響とはどんなもの?

鬼門の影響

しかし、鬼門を綺麗に保っていなければ、運気が下がるという風に言われています。
「物事がスムーズに進まない・予定が狂ってしまうことが多い・驚きの出来事が突然起こることが多い」といったようなことが起きやすくなるのです。
「あらゆる物事がスムーズに進まない」というのは、「気の通りが悪くなっているため」と考えられており、北東・南西の方角に「物置」が配置されていることが多いとされています。
また、玄関・キッチン・コンロ・トイレ・浴室・ゴミ捨て場がこの位置にあるとストレスが溜まりやすくなるとも言われています。
ほかには、北東・南西の方角に「欠け」と呼ばれる部屋が無い状態がある場合、トラブルが多くなってしまう場合があるのです。

鬼門への対処法はある?

「鬼門を避けることができないけれど、気になってしまう…」という場合、下記のように「鬼門封じ・鬼門除け」を行うことによって鬼門への対処ができると言われています。

●整理整頓
常に鬼門を綺麗な状態に保ち続けることで、鬼門封じや鬼門除けといった対策を行うことができます。
部屋が汚れている状態では、ストレスが溜まったり生活がしにくかったりするため、綺麗な状態を保つようにしましょう。
また、鬼門のライン上にはゴミ箱を置かないほうが良いと言われています。

●盛り塩を置く
盛り塩をする

鬼門封じや鬼門除けのために、お清めの塩を盛っておくということも有効な手段です。
塩には穢れを清める作用があるだけではなく、神様へのお供え物という意味も含まれているため、鬼門に盛り塩を置くことで運気の低下を防ぐことができます。
盛り塩を行う際には、毎日塩を取り換えるようにしましょう。

●お札を貼り付ける
神社・お寺には鬼門除けのお札を取り扱っているところもあり、そこでお札を購入し、表鬼門・裏鬼門に1枚ずつ飾るという方法もあります。
飾る際には、目線よりも高めの位置で飾るようにしましょう。

●トゲがある植物を置く
トゲがある植物を置くことでも鬼門封じや鬼門除けの対策は可能です。
たとえば、市販されている植物の中ではアロエやサボテン、ひいらぎなどが挙げられます。
インテリアとしてだけではなく、鬼門除けや鬼門封じも行ってくれる植物は、枯れ葉をそのままにしたり、弱っている植物をそのまま放置したりしないように育てましょう。

●サルの置物や水晶を置く
古代中国より、サルの置物や水晶を鬼門に設置することで鬼門封じや鬼門除けに使われてきました。
サルの置物については鬼門が丑寅であるのに対し、反対方向が未申であることが由来です。
また、水晶は浄化作用があるパワーストーンであるため使われてきました。
そのため、鬼門となりやすい玄関やトイレといった場所にサルの置物や水晶を置いてみましょう。

部屋の場所別 鬼門の掃除法

鬼門の掃除方法

部屋別の鬼門の掃除法について見ていきましょう。

鬼門にあるトイレ

電気はつねにつけておくようにし、換気扇も常時運転させておきましょう。
また本・雑誌・新聞・カレンダーなど、トイレットペーパー以外の紙類は置かないよう注意が必要です。

鬼門にある玄関

玄関を毎朝叩くようにしたのち、水拭きを行います。
傘に関しては「水」の気が強めであるため、この場所に保管することはやめておきましょう。
また靴に関しても、何足もたくさんまとめて置いてしまうのはNGとされています。
置く靴を数足に限定して置き、掃除が行いやすいようにしておくのがおすすめです。
玄関に敷いたマットもこまめに交換するようにしましょう。
靴を保管する際には靴が入れられていた箱にしまって保管する方も多いですが、これはやめておくのが良いです。

鬼門にある浴室

浴室内には汚れが溜まりやすくそのまま放置していると運気が下がってしまいます。
水垢・カビ汚れ・排水溝汚れ・髪の毛の詰まりなどに関しては特に気をつけるようにしましょう。
また換気はこまめに行うようにし、入浴後は必ず窓を開ける・換気扇をつけるなどを徹底するようにしてください。

鬼門にあるキッチン

キッチンにはできる限り物を置かず、シンプルな場所になるようにしてください。
最低限の食器・家電・調理器具・調味料などのみに留めておきましょう。
また調理時の生ゴミが出やすい場所でもありますが、ゴミを置く場所をこのキッチンに作らないように注意してください。
また浴室同様、窓を開ける・換気扇をつけるといった「換気」もこまめに行うようにしましょう。

鬼門にある物置・クローゼット

鬼門の位置に物置・クローゼットがある場合、可能な限り中の物を出し入れするようにしましょう。
出し入れできないような大きなもの・重いものである場合は、定期的に中のものに触れるようにします。

鬼門にある寝室

表鬼門・裏鬼門のラインを結んだ部分に自分の体が重ならないように、ベッド位置を調整するようにしてください。

以上、部屋別の鬼門の掃除法をご紹介してきました。
各部屋が鬼門の位置に該当している場合、入居時に「その位置を使わせてもらいます」という旨を家に告げておくのがおすすめです。
たとえば浴室が鬼門の位置に該当した場合、「家の構造的にどうしてもこの場所でなければならないため、こちらの位置で浴室を使用させていただきます。できる限り清潔に保てるように使わせていただきます。よろしくお願い致します。」という風に告げてから使用するようにしましょう。
どの部屋であっても掃除は必須ですので、綺麗さを保てるよう定期的に掃除を行うようにしてください。

ただ、鬼門は決して恐れるような場所ではない

恐れる場所ではない

実際のところ、表鬼門・裏鬼門の位置にキッチン・水まわりが配置されていると必ず災いが起きる・人間関係が歪むなどということはありませんので、安心してください。
現状、何か大きな支障をきたしていなければそれほど不安がらなくても大丈夫です。
ただ、できる限り綺麗な状態を保ちつつ部屋に感謝することで、そういったトラブルを避けられたり何かとタイミングが良かったりと、運気を良い状態のままキープすることができるでしょう。
「鬼門」は決して恐れるような場所でなく、「神様が通る場所」とイメージされると良いかと思います。

おわりに

今回は賃貸の部屋の間取りを選ぶ際に知っておきたい、風水における「鬼門」についてご紹介しました。
鬼門とは風水・家相において不吉だとされている方角を指すもので、元々中国で生まれた思想です。
鬼門封じや鬼門対策には、下記の方法が挙げられます。

● 整理整頓
● 盛り塩を置く
● お札を貼り付ける
● トゲがある植物を置く
● サルの置物や水晶を置く

また、トイレや玄関、浴室といった、鬼門となっている部屋の場所によって掃除方法も異なります。
そのため、正しい方法で綺麗な状態を保ち、運気の底上げを行いましょう。

「鬼門」と聞くと何か不吉なイメージを抱かれることがあるかもしれません。
しかし実際にはそれほど恐れるものではなく、鬼門にキッチン・浴室などの配置がされている間取りの場合でも、できる限り清潔な状態をキープしていれば、運気は良い状態に保たれるので安心してくださいね。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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