線路沿いにある賃貸物件に住むメリットとは?騒音は?

線路沿いにある賃貸物件に住むメリットとは

線路沿いの賃貸マンション

毎日電車に乗って会社や学校まで通っているという方にとって、自宅から駅までの距離が離れていると通勤通学が億劫になってしまうのではないでしょうか?
「できることならば、線路沿いにある賃貸物件に住みたい」とお考えの方もいるかと思います。
そこで、今回は線路沿いにある賃貸物件に住むメリットや注意点、また騒音対策についても併せてご紹介していきます。

線路沿いの賃貸物件に住むメリット

線路沿いの賃貸物件には、さまざまなメリットがあります。

駅から近い

先述の通り「線路が近いということは駅が近い」ということになります。
駅の近くにはスーパーやコンビニ、ドラッグストアなど日用品を販売している店舗が多く集まっていることが多いため、学校や会社帰りなどに立ち寄って必要なものを購入して帰宅することができます。
また、駅が近いため起床時間なども調節ができ、混雑する時間帯を避けるなど通勤通学の負担も少なくなるでしょう。
また、雨の日でもあまり濡れることなく駅まで向かうことができます。

街灯が多く人が多いので安全

遅い時間に帰宅する人にとっては、ひったくりや窃盗といった犯罪は避けたいものです。
そのような方でも、住宅街と比べて街灯が多い傾向にある線路沿いの物件では、比較的安全に帰宅することができると言えるでしょう。
線路沿いは奥まった住宅街と比べると街灯が立っていたり、お店を営業していたりすることが多いため明るいことが多いです。
お店が開いている場合、人が集まるため安心感が違うでしょう。

家賃が相場よりも安い

物件によりますが、電車が通過時に発生する騒音・振動などの理由によって、通常の賃貸物件より少し安く家賃が設定されていることもあります。
家賃の安さを優先したいという方や、騒音などが気にならない方にとっては魅力的な物件であるといえます。

日当たりが良い

建物がない線路側に窓が設置されているため、日当たりが良い場合が多いこともメリットになります。
日当たりが良いので湿気が生じにくく、洗濯物を干しても乾きやすいという点も魅力です。

線路沿いの賃貸物件に住む際の注意点

線路沿いに住む注意点

こちらでは、線路沿いの賃貸物件に住む際には注意しなければならない点をご紹介します。

騒音・振動

まず先ほど少し触れたように、電車が通過することによって生じる騒音・振動といったことが挙げられます。
電車の通過によって生じる騒音はパチンコ店と同程度の音量であることもあるため、日頃家にいることが多いという方にとってはかなり気になる点となるかもしれません。
振動は窓を閉めても弱まり辛く、時間帯によっては騒音や振動が気になって眠れなくなる可能性があります。
とはいえ終電頃になると電車の運行も終わるため、夜中の騒音についてはあまり気にならないかもしれません。

電車内から室内をのぞかれる可能性がある

自室が低階層の場合、電車内から室内をのぞかれる可能性があり、プライバシーが侵害されることもあります。
そのような場合に備え、カーテンを設置するようにしましょう。

洗濯物、窓が汚れやすい

電車が通過する際、粉塵や砂が舞い上がり、洗濯物や窓に付着する可能性が高く、汚れやすくなると言われています。
低階層の場合、電車がブレーキを踏んだ時に金属同士が擦れ合うことにより発生する鉄粉も含まれることがあります。
そのような場合は、部屋干しを行うことで洗濯物の汚れを防ぐことができます。

騒音の種類

騒音の種類

線路沿いの物件では、電車や車が通過する音だけではなく、多くの人が通るため話し声やペットの鳴き声なども騒音に感じる方もいらっしゃると思います。
騒音には、空気を介して周囲に広がる「空気音」と、壁や床などを介して伝わる「固体音」が含まれます。
空気音については空気を介して伝わる音であるため、後述する防音カーテンや防音ボード、遮音シートで対策をすることができます。
固体音は壁や床が振動して伝わる音のため、防振対策が行われた物件に入居することが対策となります。
また、フェンスや外壁など、物件と線路の間に音をさえぎるものがあれば固体音を軽減することができます。

線路沿い賃貸物件での騒音対策

線路沿い物件の防音対策

線路沿いの賃貸物件において騒音対策の方法について見ていきましょう。
下記に騒音対策として用いるアイテムをご紹介します。
また、物件により騒音・振動といった度合いが異なりますので、駅近物件をお探しの方は該当する物件を内覧して、どの程度の音や揺れになるのかを確認しておくと安心です。

防音カーテン

通常のカーテンよりも厚手な素材でできており、室外からの防音に優れているカーテンです。
高音域の音はもちろん、人が騒いでいる音なども緩衝してくれます。
またカーテンは防音のほか、外から部屋の中を見られることを防ぐ対策にもなります。

防音ボード・遮音シート

壁や天井に張り付けることで効果を発揮する、音の吸収シートです。
テープ式の物などがありますので、賃貸物件に住む際でも壁を傷つけることがありません。

背が高い家具を壁側に設置する

棚やタンスといった、背が高い家具を壁側に設置することで防音壁の代わりとなるため、騒音対策を行うことができます。
防音シートなど、壁に防音ツールを貼り付けたくない方におすすめの方法で、コストを掛けずに防音対策を行うことができます。
なお、壁に背が高い家具を設置する際、壁にピッタリと家具をつけるのではなく、空気の層をつくるために1~3cm程度の隙間を空けましょう。

騒音値について

騒音値について

音の大きさを示す値には、「騒音値(そうおんち)」と呼ばれるものがあります。
デシベルで表される騒音値は「どれくらいのデシベルでどれくらいの音の大きさに当たるのか」といった目安となります。
下記、目安と生活への影響、騒音値、騒音の発生源をご紹介します。

目安 生活への影響 騒音値
(デシベル)
騒音の発生源
かなりうるさい 聴覚障害を引き起こす可能性がある 120デシベル ジェットエンジンの近く
110デシベル 自動車のクラクション
100デシベル 電車が通っているガード下
我慢ができないうるささ 90デシベル 工場の中
80デシベル 布団をたたく音
うるさい かなり大きな声でなければ会話ができない 70デシベル セミの鳴き声
大声でなければ会話ができない 60デシベル 洗濯機や掃除機が発する音
普通 通常の会話は可能 50デシベル 家庭用クーラー
通常の会話は可能 40デシベル 図書館の中
静か わずかに聞こえる 30デシベル ささやき声
ほとんど聞こえない 20デシベル 木の葉が触れ合う音

また、音は距離によって大きさが増減します。
下記、一般的な音と距離の目安で、音源から2メートル離れると6デシベル下がる、ということになります。

距離(メートル) 騒音値
(デシベル)
2 6
4 12
8 18
16 24
32 30
50 34

一般的に睡眠に影響を与えない騒音は30~40デシベルと言われています。

防音・騒音に強い物件の構造

防音・騒音に強い物件の構造

防音・騒音に強い物件は、壁や床、窓、建物の構造に高い防音性があります。
こちらでは、それぞれについてご説明します。

建物の構造

防音・騒音に強い物件は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の物件です。
コンクリートを使用した建物は気密性が高いため、外からの騒音を軽減することができます。
一方、木造や軽量鉄骨造、重量鉄骨造の建物は気密性や防音性が低い傾向にあります。

床が厚く、フロアの間が空洞になっている物件は防音性能が高い構造です。
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物の場合、床材にもコンクリートが使われているため、高い防音性が期待できます。
また、防音性や遮音性が高い床材を使用している場合も防音性が高い建物です。

線路沿いの賃貸物件の窓は、外からの騒音を防ぐために二重サッシが取り付けられていることがあります。
二重サッシとは、内窓と外窓のように2つの窓が取り付けられているものであり、防音効果だけではなく断熱効果も期待できます。

線路や駅から遠い物件について

線路や駅から遠い物件

これまでは線路沿いの賃貸物件についてご説明しましたが、一般的に駅から徒歩で10~20分程度かかる物件はどのような特徴があるのでしょうか。
こちらでは、線路や駅から遠い物件のメリットや注意点をご紹介します。

線路や駅から遠い物件のメリット

線路沿いや駅から遠い物件には、下記のように「騒音が少ない」「敷地や周辺の環境が整っている」「日当たりが安定的に確保することができる」などが挙げられます。

騒音が少ない

線路や駅から離れるほど電車が発する音が小さくなるため、騒音による日常生活への影響が少なくなります。
就寝時に電車や車が通過する音で目が覚めてしまった、ということも少ない点はメリットと言えます。

敷地や周辺の環境が整っている

線路や駅から離れるほど、土地に余裕がある傾向にあるため、自動車やバイクなどを所有している場合、駐車場を借りやすいことがあります。
また、公園などが設けられていることもあるため、気分転換に散歩を楽しむこともできます。

日当たりを安定的に確保することができる

線路や駅の近くでは高層ビルやマンションなどが建てられ、都市開発が進んでいるため、物件によっては日当たりが確保できない場合があります。
駅から遠い賃貸物件の場合は住宅街の中にあることが多いため、線路や駅の近くにある物件よりも日当たりを確保しやすく、洗濯物が乾きやすかったりベランダからの眺めを楽しんだりすることができます。

家賃が抑えられている物件が多い

線路や駅から遠い物件はアクセスが良くないため、家賃が抑えられていることが多い傾向にあります。
同額の家賃でも、先述の通り敷地や周辺の環境が整っているため、駐車場を借りやすかったり日当たりを確保しやすかったりといったことが期待できます。

線路や駅から遠い物件の注意点

線路や駅から遠い物件を選ぶ際には、下記のポイントに注意しましょう。

アクセスが不便

駅から遠いため、通勤や通学の際には自宅から駅までの移動に時間がかかります。
自転車を使用する場合でも、雨天時には運転することができないため、そのような場合は徒歩で移動する必要があります。
また、物件によっては近所にスーパーやコンビニなど、日用品や食事を購入する店舗が無い場合があります。
そのため、物件の内覧時には最寄り駅から入居希望の物件までの距離だけではなく、立ち寄ることが多い店舗や施設の場所も確認しておきましょう。

バスを利用する場合、コストが必要となる

バスを利用する場合は、電車賃だけではなくバス代も必要となります。
また、残業や食事会などにより最終バスに間に合わなかった場合は、徒歩で帰宅をしなければならない点についても注意が必要です。
なお、飲酒後に自転車に乗車することは道路交通法に抵触し、懲役または一定額の罰金が科せられる可能性があります。
そのため、アルコールを摂取したときは徒歩か、タクシーに乗車して帰宅しなければなりません。

おわりに

今回は線路沿いにある賃貸物件に住むメリットや注意点、また騒音対策についても併せてご紹介しました。
線路沿いは駅が近いこと・家賃が安い傾向にあること・比較的明るいといったようなメリットがあります。
一方で注意点としてはやはり電車が通過することによる騒音・振動になります。
騒音対策としては、防音カーテンや防音ボード・遮音シートの設置や家具・家電の設置場所の工夫をすると良いでしょう。
また、徒歩で10~20分程度の立地にある、線路や駅から遠い物件にもメリットやデメリットがあるため、自分がどのような生活を送りたいかをイメージしてから内覧や不動産業者に相談することをおすすめします。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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