賃貸物件の仲介手数料の金額について

仲介手数料とは何の費用?金額に決まりはあるの?

賃貸契約には一部を除きほぼ確実に必要な費用のひとつ仲介手数料について解説します。仲介手数料とは一体何の費用でどうして必要なのかを掘り下げていきます。また最近増えてきている仲介手数料が無料の物件の謎にも迫ります。

仲介手数料のナゾ “いったい何の費用でいくら必要なのか?”

仲介手数料

一部の例外を除いて賃貸契約の際に必要になる仲介手数料とは簡単に説明すると契約する部屋を仲介した不動産屋に対する成功報酬です。部屋を紹介してもらっても気に入らなかったり、案内され下見までしていても契約にならなければ発生しません。※例外に関しては後述します。

仲介手数料はいくら必要なのか:
仲介手数料には制限があり金額の上限は家賃の一ヶ月分を超えてはならないと宅地建物取引業法で定められています。これは貸主と借主双方の合計金額です。仮に家賃が5万円なら上限は双方の合計で5万円です。これより少ない分には問題ありません。そういうわけで仲介手数料無料でも不動産屋さんとしてはつらいでしょうけども法的にはクリアーです。消費税は別途加算されますので賃料の一ヶ月分プラス消費税ということになります。

仲介手数料って具体的には何の費用?:
先ほども説明したように不動産会社への成功報酬です。お部屋紹介から契約に至るまでの流れ(不動産屋の仕事内容)を理解すれば報酬が発生することにも納得できるかと思います。

その1:物件情報の収集。一般の商店に例えると商品の仕入れにあたります。家主、管理会社などから空室情報や新築情報を仕入れ資料作成や物件登録システムなどに入力します。この際に既存の物件であれば賃料の変更等がないかの確認もします。また不動産業者専用の物件情報サイトなどもありそこから情報を入手することも一般的です。

その2:写真撮影や図面作製を行います。その1の段階ではまだ物件情報とはいってもの文字だけで皆さんに紹介するときに見せられるレベルの物ではありません。見やすい資料にするために物件の外観や室内の写真を一軒一軒スタッフが撮影し間取り図面を作ります。建築図面や手書きの間取りでは見づらいですからね。ここまでが物件の仕入れと仕込み作業です。

その3:ここからは店頭並べる紹介用ポップを作成したりインターネット広告や雑誌など各種媒体に掲載する作業を行います。商品の陳列や通販サイトの様なイメージです。不動産屋さんの前で貼られている物件広告がこれですね。各種広告を見た人からの電話やメールなどに対応して来店してもらうまでにかなりの労力がかかるのが分かります。

その4:来店客に詳しく希望条件を聞くなど応対し気に入ってもらえそうな物件を資料やパソコンなどを使い紹介していきます。その中から特に気になった数件を車などで連れていき下見をしてもらいます。今時の不動産屋は物件紹介はもちろんの事、案内も無料で行っているのでこの段階ではなんの利益にもなってはいません。

その5:今までの労力が報われて見事に申し込みから契約となって初めて報酬である仲介手数料の話が出てきます。不動産屋は家主・管理会社に連絡を取り皆さんの入居の意思を伝え、部屋を抑えたり契約費用の明細作成、契約書作成やカギの手配など様々な手続きをし皆さんと家主・管理会社との橋渡し役をします。このように気に入ってもらい気に入った物件にスムーズに入居してもらえるように動いた報酬として仲介手数料が発生します。もちろん家主側にも自分自身だけではなかなか埋められない空室が成約になるメリットがあるので同じくこちらからも報酬をもらう権利があります。

上に挙げた以外にも業務はありますが概ねこういう流れです。
このように皆さんのいい部屋を見つけたい、家主の早く空室を埋めたいという欲求を満たして結果が仲介手数料という対価となります。

仲介手数料のナゾ “仲介手数料が無料の理由”

近年増加傾向にある仲介手数料が不要の物件についてお話しします。

仲介手数料無料物件の理由
その1:取引態様に注目しましょう。聞きなれない言葉ですが、これは物件に対してどういう立場にあるかを表しています。取引態様欄に売主、貸主とあれば仲介手数料は不要です。取引に売主(貸主)と借主(皆さん)の間に仲介(媒介)業者という第三者がいて初めて仲介手数料が発生します。直接取引し誰にも間に入ってもらっていないので不要になるというわけです。この立場は明確にするようにと宅建業法で定められています。

その2:不動産屋が家主から仲介手数料の上限100%を受け取る場合。
始めにご説明したように報酬は双方あわせて100%(税抜き)と上限が決まっていますので家主から全額受け取る場合は借主は無料になります。空室を早く埋めたい場合などの理由で家主が全額負担するケースもあります。

その3:取り扱っている物件のすべての取引態様が貸主の場合
1の捕捉に近いですが、すべての物件が貸主になるUR賃貸や公営住宅は仲介手数料がかかりません。

その4:会員やリピート客へのサービス
その不動産会社が提供する有料、無料問わず会員登録している場合に仲介手数料が無料になる場合や2回目以降の契約で無料のサービスを行う業者もあります。

様々なケースがある仲介手数料が無料になる物件ですが長く快適に住めるように無料ありきで探すのではなく総合的に見て得かどうかを判断してお部屋探しをしましょう。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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