途中解約時に違約金特約のある賃貸物件は入居者にとって不利?

賃貸マンションを途中解約する際の違約金

初回の契約期間中に解約しなければならない事情がでてきた時に、違約金を請求される特約付き物件がある。家賃などのキャンペーン期間の物件であったり、新築物件、大規模なリフォーム物件の場合に設定されるケースがあります。しかしこの特約は必ずしも入居者側にとって一方的に不利なものではありません。ここではどういった物件で違約金の特約が設定されるのかご説明します。

賃貸契約分からないことだらけ“契約期間って何のこと?”

賃貸契約の契約期間

まずは特約の解説の前に関連のある契約期間についてお話しします。
賃貸広告をご覧になった際に多くの方が契約期間の欄に“1年間”または“2年間”という期間が記載されていることに疑問を持たれたと思います。
最初から1年か2年の短期間で引っ越そうと考えている人は少ないでしょう。恐らくよほどの引っ越し好き以外は“4~5年は住もうかな”とか“手狭になったら”という風にイメージしているでしょう。
にもかかわらず賃貸広告には1年か2年契約しかなくてもっと長く住める物件はないのかと悩んだこともあるでしょう。

普通建物賃貸契約(普通賃貸・・一般賃貸と言われることもあります)は最短で1年と定められているので1年か2年の物件が一般的です。この期間を持って契約終了というわけではなく双方(貸主と借主)合意があれば継続されています。
物件によっては契約更新の通知が来たり、自動更新といって出て行きたいなど意思表示がなければその名の通り自動で継続される契約もあります。
この更新のタイミングで家賃見直しが行われる場合や更新料の必要な物件では支払いが生じます。

さて普通賃貸と出てきましたが普通ではない賃貸についても解説します。
賃貸契約の中には入居期間に制限があるものが存在します。

それは定期建物賃貸借契約(定借と略されます)です。
この場合の契約期間は期間満了で更新はなく退去しなければなりません。ただし家主の希望で再契約の可能性はあります。期間ではなく何年の何月末までというように期限が表記されていることも多いです。
理由は様々なので全てを列挙することは出来ませんがよくあるのが、分譲マンションや一戸建てを買ったはいいが転勤になってしまった場合や建物自体を取り壊す場合に空室や空家の状態で放置しておくのはもったいないしローンの支払いが残っていて少しでも返済に充てたい時に行われることが多いです。
転勤留守宅をメインに取り扱っている不動産屋もあるほどで一定のニーズがあります。
入居者にとっては一定期間で引っ越しを余儀なくされる点と基本的には中途解約が出来ないのがデメリットですが、その分周辺の同じようなグレードの家賃相場より安く借りれるというメリットがあります。また家主にとっても相場よりは賃料収入は減りますが空家を放置して家賃収入が途絶えたりせず、家賃収入をローンにまわせるというメリットがあります。
また転勤場合は確実に住む家が確保出来るということも言えます。
一般賃貸で貸し出してしまうと入居者の意思任せとなってしまい、持ち家はあるが住む家がないということになってしまうリスクがあります。よほどの理由がない限り退去を強要出来ません。

賃貸契約分からないことだらけ“どうして特約に違約金が必要なのか?”

賃貸契約で特約に違約金が設定されていると入居者に不利な一方的な条件ではないかと思われるかもしれませんが実はそうではありません。

多くの場合それ以上のメリットが入居者にあります。そうでもなければ誰もそんな物件を契約しませんよね。

■違約金が設定される見返りのメリットと事例
初期費用が安い:初期費用の大部分を占める敷金礼金(保証金)が0円や格段に安い場合が多いです。中には新築物件で敷礼無しというものもあります。一般的に初期費用は家賃の4~5ヶ月分になる場合が多いですが半額ほどで済むこともあります。貯金があまりなくても引っ越せるメリットがあります。

他の部屋より新しくてきれい:古い物件でも大規模なリフォームや間取り変更などリノベーションされ室内が新築の様になっていてしかも設備が新しくなっている場合です。当然相当の費用がかかっているわけですが古い物件だけに家賃を上げるのも難しい場合が多いうえに短期間で退去されると家主も困ってしまいます。そこで一定期間以上住んでもらい費用を回収出来るように特約を設定する場合があります。

キャンペーン物件:空室状態が長く続くより家賃や礼金などを安くしてでも入居してもらいたい場合です。
本来退去時の修繕に充てられる敷金礼金を取っていないので早期に退去されると費用が捻出なります。

いずれのパターンにしても入居者(契約者)は一定期間入居しなければならないという制約は受けますが金銭的なメリットが多いのが特徴です。短期間で引っ越しと分かっている場合は選ぶべきではないですが
また違約金は家賃2ヶ月分と設定される場合が多いので万一早期解約しても敷金礼金を払うより安いと割り切って契約する方もいます。

その他:契約プランが選べる物件。礼金をゼロ円や減額する代わりに家賃を値上げする契約が可能な物件もあります。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

お客様が安心してお部屋探しができるように、住まいのお役立ち情報をお届けしています。