賃貸の「キャッシュバック」とは?仕組みと活用時の注意点について

賃貸の「キャッシュバック」とは?仕組み

賃貸のキャッシュバック

賃貸物件を借りる際には、敷金・礼金だけではなく引っ越し費用なども必要となるため、できるだけ安く済ませたいと思っている方も多いことでしょう。
お得に部屋を借りる方法のひとつとして、「キャッシュバック」という仕組みを利用することが挙げられます。
本記事では、賃貸におけるキャッシュバックの仕組みや注意点についてご説明します。

賃貸の「キャッシュバック」とは?

賃貸物件におけるキャッシュバックとは、物件を掲載したポータルサイトや不動産会社が主体となって行っているキャンペーンのひとつです。
キャッシュバックキャンペーンは、不動産会社が売り込みに力を入れているものや契約者数の獲得といった、さまざまな目的を達成するために行われます。
キャッシュバックの金額については対象となる物件や不動産会社、ポータルサイトによりさまざまで、数万円が支給されることもあれば1ヶ月分の家賃を充当することもあります。
そのため、キャッシュバックキャンペーン期間内に賃貸借契約を締結すると、指定した口座に入金されたり、初月の家賃を支払う必要が無くなったりします。

キャッシュバックの仕組み

キャッシュバックの仕組み

下記、一般的なキャッシュバックの流れです。

1. 借り主がキャッシュバックキャンペーン内に賃貸借契約を締結する
2. 不動産会社やポータルサイトが広告料という名目で賃貸サイトに入金する
3. その入金額の一部を借主に対して支払われる、これがキャッシュバックとなる

上記の通り、キャッシュバックは不動産会社やポータルサイトが行っているため、借り主が負担することはありません。
ポータルサイトや不動産会社がキャッシュバックキャンペーンを行う際には、ほかの入居者との公平性をできるだけ保つため、期間限定で行われることが多いです。
借り主を増やすためには、毎月支払う家賃の値下げといったことも考えられますが、こちらの場合はすでに入居している借主からの反感を買う可能性があります。
そのため、期間を限定して開催することができるキャッシュバックキャンペーンの方が実施しやすいと言えます。

キャッシュバックは違法ではない?

キャッシュバックは違法ではない

物件を探している方の中には、「キャッシュバックは違法である」といった言葉を耳にしたことがある方もいると思います。
結論として、キャッシュバック自体は違法ではありません。
違法となるキャッシュバックキャンペーンには、広告の掲載内容が実施事項と異なっていたり、誤解を与えるような内容だったりする場合が挙げられます。
たとえば、「〇円キャッシュバック」といった情報を記載したキャンペーンであるにも関わらず、実際には「〇〇も契約しなければならない」といった条件があった場合、不動産広告のルールに違反していると言えます。
また、宅地建物取引業法(通称:宅建法)においては、契約に必要な手付金を不動産会社が負担したり貸し出したりすることは違法となるため、上記に抵触した内容のキャンペーンを行っている不動産業者はありません。

キャッシュバックを活用する際の注意点

キャッシュバックを活用する

こちらでは、キャッシュバックを活用する際の注意点をご紹介します。

人気のない物件の可能性がある

先述の通り、キャッシュバックキャンペーンを行う目的には注力する物件の売り込みが含まれます。
不動産会社や大家さんはなるべく空室を作りたくないと考えるため、長い間入居者が見つかっていない物件がキャッシュバックキャンペーンの対象となることがあります。
人気が無い理由は、後述する割高な家賃のほか、物件の利便性や立地条件の悪さなどが挙げられます。

もともと割高な物件である可能性もある

借り主がなかなか見つからない物件の中には、もともとの家賃が割高に設定されているものもあります。
割高な物件であるかどうかは、同じような立地や間取りなどを持つ、周囲の物件と比べることで見分けることができます。
ほかの物件と比較して割高な物件だった場合、キャンペーンの対象となることがあるため、さまざまな物件と比較しましょう。

対象となる物件が少ないことがある

一般的にキャッシュバックキャンペーンは、特定の物件に対して行われるプロモーションのひとつです。
そのため、キャッシュバックキャンペーンの対象となる物件自体が少ない点には注意しましょう。

ほかの不動産会社のキャンペーンと比べる

キャッシュバックキャンペーンは、同じ物件であっても複数の不動産業者が行っていることがあります。
それぞれの不動産会社によりサービスの内容も異なるため、複数の業者と比較、確認を行うことでよりお得に部屋を借りることができます。
たとえば、A社のキャンペーンが「〇万円キャッシュバック」であるのに対し、B社は「家賃1ヶ月分キャッシュバック」であることが挙げられます。
家賃がA社のキャッシュバック費用〇万円以上だった場合はB社の方がお得になり、〇万円未満の場合はA社の方がお得になります。
なお、キャンペーンを受けることができるのは賃貸借契約を締結した不動産会社のみです。

満額の返金は難しい

キャッシュバックキャンペーンのなかには、「最大〇円キャッシュバック!」といった触れ込みでプロモーションを行っている業者もあります。
こちらの注意点は「最大」という言葉で、物件によりキャッシュバックされる金額や条件が異なるため、満額の費用を受け取ることができない可能性もあります。

受け取りに条件が課せられる

下記のように、物件によってはキャッシュバックキャンペーンを受け取るためにさまざまな条件が課せられることがあります。
● 賃貸借契約締結後、指定日数以内に申請を行う
● アンケートや口コミへの協力
● 対象となる口座のみに入金

キャッシュバックキャンペーンは、一時的に得をするものが多い傾向にあります。
長期的に見るとキャンペーンを利用した物件の方が割高になっていることもあるため、キャンペーンだけではなく毎月必要となる家賃などと比較してから、物件を決定することが重要です。

キャッシュバック以外でお得に賃貸物件を借りるためのポイント

キャッシュバック以外のお得情報

下記、キャッシュバック以外でお得に賃貸物件を借りるためのポイントをご紹介します。

立地条件

高額になる物件の特徴としては、駅やスーパーなどへのアクセスが近いといった、利便性が高いことが挙げられます。
そのため、駅から離れていたりスーパーが遠かったりといった、少し不便な場所を選ぶことでお得に賃貸物件を借りることもできるでしょう。

築年数

新築や築年数が浅い物件は家賃が高額になる傾向にあるため、築年数が古い物件に住むこともお得に賃貸物件を借りる方法として挙げられます。
鉄筋コンクリート造の建物の場合、築年数が20年程度でも劣化が少ないため、きれいな状態で住むことができます。

間取り

賃貸物件を選ぶ際には、ついつい広い間取りを選んでしまう人もいるのではないでしょうか。
一般的な物件では広くなるほど家賃が高くなるため、自分のライフスタイルに合った広さの物件を選ぶことで毎月の家賃を抑えることができます。

おわりに

本記事では、賃貸物件におけるキャッシュバックについてご紹介しました。
キャッシュバックは不動産業者や物件を掲載しているポータルサイトが行っているプロモーションのひとつで、借主を増やすことが目的です。
キャッシュバックキャンペーンを利用すれば通常よりもお得に物件を借りることができますが、ほかの物件と比較して本当にお得なのか、どれくらい得するのかを確認しましょう。