賃貸物件のフローリング・床への傷防止に!おすすめの対策は?

賃貸物件のフローリング・床への傷防止に!おすすめの対策は?

賃貸物件のフローリング

賃貸住宅のフローリングや床に傷が付いてしまうと、退去時の費用が高くなってしまうことがあります。
そのため、傷が付かないよう床への対策をしっかりと行っておきましょう。
今回は賃貸物件のフローリング・床に付きやすい傷の種類や、傷対策についてご紹介していきます。

賃貸物件のフローリング・床に傷が付いたら修繕費が必要?

床の傷
賃貸物件のフローリング・床に傷がついてしまった場合、注意が必要なのが、「原状回復義務」になります。
賃貸物件の退去時は、部屋の状態を入居前と同じ状態に戻さなければならないという義務があり、これを「原状回復義務」と言います。
ただすべての修繕費用を入居者側で負担するのではなく、大家さんが支払うべきものもあります。
入居者と大家さんがそれぞれいくら払うかという判断基準ですが、これは国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に従って金額が決定する流れになります。
経年劣化など生活上でどうしても生じてしまう傷や汚れ、損傷に関しては、大家さん側でその修繕費を負担することになります。
一方、入居者側に過失・破損といったものがある場合、入居者側で修繕費を負担しなければなりません。

【床の汚れ・傷】入居者負担となる場合

・引っ越し作業時、床に傷や汚れが付いてしまった場合
・水や飲み物をこぼしたことによって、床にカビやシミが生じてしまう場合
・床にペットによる引っ掻き傷ができてしまった場合

【床の汚れ・傷】大家さん負担となる場合

・建物欠陥による日照りの影響で床が傷む場合
・修理を依頼されていたにも関わらず修理を行わないでおり、そのままシミになってしまった場合
・物件に備え付けられていた棚が経年劣化により落ちてしまい、床に傷が付いてしまった場合

フローリングの種類

フローリングの種類

フローリングには「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類に分けることができます。

無垢フローリング

単層フローリングとも呼ばれる無垢フローリングは、天然の木をそのまま1枚のフローリング材として使用したものです。
高い断熱性や調湿性を持つことから人気が高いフローリング材で、天然の木の風合いや触感などを楽しむことができます。
しかし、後述する複合フローリングと比べると高額になる傾向があることや、湿度によっては無垢フローリングが収縮・膨張を繰り返すため、反り目やひび割れが生じる可能性がある点には注意が必要です。

複合フローリング

複合フローリングとは、表面に使う表面材と下地部分を重ねることで作られた床材です。
下地部分にはさまざまな素材が使われているため、床暖房の機能を持たせたり、遮音性を付与したりすることができます。
また、表面材には豊富な色やデザインがそろっている点も魅力のひとつです。

賃貸物件でよくあるフローリング・床の傷とは?

よくある傷とは

賃貸物件でよく付いてしまいがちなフローリング・床の傷の種類についてご紹介していきます。

食器を落とした際に生じる凹み部分

フローリング・床にお皿やティーカップなどの食器を落としてしまうことによって、凹みの傷が生じてしまうことがあります。
こちらの凹みによる傷が普段の生活内で最も多く見られます。

家具を引きずったことで付いた細かな傷

重い家具・家電を引きずったことにより、フローリング・床に細かな傷をつけてしまうことがあります。
たとえばベッドや冷蔵庫などの配置替えや移動を行う際に、ベッド・冷蔵庫の足の部分がスムーズに動かず床に傷をつけてしまうといったことが挙げられます。
またフローリング・床の素材が柔らかいものである場合、時間の経過と共に冷蔵庫本体の重みで床が凹んでしまうことがあります。
このような傷は普段はしっかりと見ることが無いため引っ越しを行わない限り、気づかれないケースが多いです。

犬・猫といったペットによる引っ掻き傷

犬・猫といったペットを室内で飼っている家庭も多いかと思います。
その際に注意したいのが、ペットが床に引っ掻き傷を作ってしまうということです。
床に付いた傷はペットが原因であることも多く、犬・猫などの爪は基本的に床を傷めてしまいやすいため、注意が必要なのです。
また、フローリングなどのツルツルとした床材は犬・猫にとって非常に滑りやすい材質であるため、手先に力を入れようとして爪が床にこすれてしまうのです。
ペットを飼っているご家庭では、ペット用に対策ができる専用のフローリングを使うと傷対策ができおすすめです。

賃貸物件のフローリング・床への傷防止対策

傷の防止対策

賃貸物件のフローリング・床への傷防止対策についていくつか見ていきましょう。

テーブルや椅子の脚裏にフェルトやクッションシールを貼る

フローリング・床への傷対策として、床に直接触れる家具脚の底部分にフェルトやクッションシールを貼って保護するという方法があります。
このような専用のフェルトやクッションシールはホームセンターなどで販売されており、保護剤を家具脚の裏に貼り付けるだけなので、手軽に対策することができます。
フローリング・床に触れる部分にはフェルトやクッションシールが保護してくれるため、傷が付きにくいだけでなく、防音の対策としても有効です。

物を落としそうな場所の床にはラグを敷く

キッチン台や食事テーブルなど、床に物を落としてしまう可能性が高い場所の床にはラグマットを敷くと良いでしょう。
軽い食器であれば、凹みの傷を防ぐことができる場合もあります。

キャスターが付いた家具下にはカーペットを敷く

キャスターが付いた家具下には必ずカーペットを使用するようにしましょう。
代表的なのが、キャスター付きの椅子です。
キャスター付きの椅子は、基本的にフローリング床の部屋には向いていないのです。
床とキャスター部分との間で摩擦が生じて、フローリングの表面に傷がついてしまいやすいためです。
そのためこのようなキャスター付きの家具を使用する場合、カーペットをこの下に敷くようにしましょう。
カーペットを使用することで、移動時でも傷がつく心配がありません。

フローリングタイルを床に並べる

フローリングの上のカーペットを敷くと、「どうしてもフローリングの木の魅力がなくなってしまうからちょっと…」という方は、無垢材を使ったフローリングタイルを敷いてみるのもおすすめです。
その名の通り、床にタイルを敷き詰めるだけで良いため、傷対策も比較的簡単に行えます。
基本的にこのようなフローリングタイルは、ワックス・塗装を行うことも可能です。
木の魅力を軽減させたくないという方は、フローリングタイルを使用してみてください。

ワックスがけを定期的に行う

フローリングにワックスを塗布すれば、傷はもちろん汚れも付きにくい床になります。
中にはワックスがけが不要であるメンテナンスフリーのフローリングもありますが、水性のワックスや樹脂でできたワックスの場合、定期的にワックスがけを行う必要があります。
時間の経過に伴ってワックスが劣化するとひび割れ・剥がれなどが生じてしまうためです。
お手入れを行う頻度としては、半年に1度ワックスの上塗り、5年に1度はワックスをすべて剥がしての塗り直しを行うのが良いでしょう。
ただ、ワックスを塗る際にはフローリングとの相性を確認しなければならないため、専門の業者に相談し、大家さん・管理会社へも確認を取る必要があります。

補修業者に依頼した際の費用相場

補修業者の相場費用

床に深い傷や汚れが目立つ場合など、自分ではどうすることもできないと思った際には補修業者への依頼を検討する方もいると思います。
そこで気になるには、作業時間と費用ではないでしょうか。
費用については依頼する業者や傷、汚れの程度により異なりますが、一般的には1日当たり3万円から5万円程度と言われています。
また、深刻な汚れがある場合はフローリングを張り替える作業が発生するため、より高額な費用が必要となります。

補修業者に依頼をする際のポイント

下記、補修業者に依頼をする際のポイントです。

複数の業者から見積もりをもらう

先述の通り、補修にかかる費用は業者により異なります。
そのため、業者に補修を依頼する際は1社だけではなく、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
複数の業者に見積もりを依頼することで、業者の特徴や実績、業界の相場などを理解することができます。
各補修業者に見積もりを依頼する際は、補修箇所をどのように補修してほしいのかを伝え、補修業者にはどのような方法で補修するのかを確認しておきましょう。

まとめて補修をしてもらったほうがお得な場合がある

補修業者によっては、床だけではなく壁紙などもまとめて補修を行った方がお得な場合があります。
そのため、床以外にも補修をしてもらいたい箇所を確認しておき、見積もりの際に相談してみましょう。

出張料金がかからない業者を選ぶ

業者によっては、補修費用だけではなく出張費を請求することがあります。
事務所と作業場への距離が遠いほど高額となるため、補修費用が安くても高額の請求となる可能性があります。
そのため、見積もりの際には必ず出張料金の有無を確認しましょう。

下請けが無い業者を選ぶ

補修業者のなかには、受注した補修作業を下請けの業者に依頼をすることがあります。
このような場合、仲介手数料が補修費用に上乗せされるため、高額な請求となります。
ホームセンターやハウスメーカーといった、下請け業者が作業を行うような場合には注意が必要です。

補修業者に依頼をしておいた方が良いケース

補修業者に依頼をしておいた方が良いケースには、自分で補修することができない下記のようなケースが該当します。

表面の劣化

日焼けやアイロンの焦げ跡などの修繕は自分で行うことが難しいため、補修業者に依頼をしておいた方がいいでしょう。
床材自体が傷んでいるため、自分で修繕を行うと現状より悪化してしまう可能性があります。

床がギシギシと鳴る

こちらも床材が傷んでいる可能性が高いため、補修業者に依頼することをおすすめします。

賃貸物件のフローリング・床に傷が付いた時の対処法は?

フローリングに傷がついたときの対処法

上記のような対策を行っていても、やはりフローリング・床に傷がついてしまうこともあります。
このような場合、傷を隠すことができる商品を使用して傷をぼかすのがおすすめです。
クレヨンタイプ・ペンタイプの補修用アイテムが代表的でしょう。

フローリング・床の傷がそこまで深くない・ひどい状態ではないという場合、ペンタイプを使って床の色を補正していきます。
床の傷が深いという場合、クレヨンタイプを使って傷を埋めていくようにしてください。
傷部分をクレヨンタイプ・ペンタイプの補修用アイテムを使って補修した後、色落ちしてしまわないようにワックスがけをしてコーティングするようにしましょう。

おわりに

今回は賃貸物件のフローリング・床に付きやすい傷の種類や、傷対策についてご紹介しました。
賃貸物件のフローリング・床に傷が付いてしまうと、「原状回復の義務」に従ってその修繕費が請求されてしまうことがあります。
これを防ぐためにはやはりフローリング・床への傷対策を行わなければなりません。
ご紹介した上記方法を参考に、傷が付かないよう対策してみてください。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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