「分譲賃貸」とはどういうもの?メリットや注意点もご紹介

「分譲賃貸」とは?メリットや注意点

分譲賃貸
新築物件を購入する気がない方は、賃貸契約を締結した物件に入居します。
通常の賃貸契約よりも、設備や条件が良い物件がそろっていることが多い「分譲賃貸」というものがあります。
本記事では、「分譲賃貸」とはどういうものなのか、メリット・デメリットや選び方、注意点についてご説明します。

分譲賃貸とは?

分譲賃貸とは、永住目的で購入した物件を、なんらかの事情によりほかの人に貸し出された物件のことを指します。
時系列では分譲→賃貸の順番になるため、分譲賃貸と呼ばれます。
主にマンションで取り扱われている形態で、下記のような理由で物件を貸し出すことがあります。

●転勤により購入した分譲マンションに住めなくなった
●両親が他界してだれも住んでいないが手放すにはもったいないため分譲マンションとして活用

このように、人生でも大きな買い物のひとつである分譲マンションを手放したくない方が、有効活用するために分譲賃貸の形式を採用するケースが増加傾向にあります。

「分譲」と「賃貸」の違い

分譲と賃貸の違い
そもそも、分譲と賃貸にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、それぞれの物件を所有するオーナーが異なるという点があります。
分譲の場合はマンションそのものの所有者とは別に、部屋ごとに大家さんが存在する形式です。
分譲物件は自分の財産になりますが、修理や故障といった管理は全て自分で行わなければなりません。
部屋ごとのオーナーは入居者自身だったり、入居者の親族だったりします。
一方、賃貸物件は同一の大家さんや管理会社が全部屋を管理・所有しています。
大家さんの権限により、設備の導入などさまざまな措置が可能です。
共用部分の修理や故障などは大家さんや管理会社が対応してくれますが、借りているという契約上、いくらお金を支払っても自分の財産にはなりません。

分譲賃貸のメリット

分譲賃貸のメリット
こちらでは、分譲賃貸のメリットを4点ご紹介します。

建物のグレードが高い

通常の賃貸住宅に比べると分譲賃貸の物件は、建物自体のグレードが高いものが多い傾向にあると言えます。
たとえば共用部分ではエントランスや受付、室内ではアイランドキッチンや床暖房といった設備が備え付けられていることもあります。

建物がしっかりしている

しっかりしている建物とは、高い耐震性や防音性を備えている建物のことを指します。
分譲賃貸の物件には、そういった耐震性や防音性の高いものが多く、災害や近隣住民とのトラブルを避けて、安心して暮らすことができる点もメリットのひとつです。

防犯・セキュリティにすぐれている

分譲賃貸の物件には監視カメラが取り付けられていたり、セキュリティ会社に防犯セキュリティの依頼をしていたりする物件もあります。
また、管理会社の方が常駐している物件も少なくないため、トラブルが発生した際はすぐに対応してくれる点もメリットのひとつと言えるでしょう。

間取りのバリエーションが多い

分譲賃貸の物件は、もともとは分譲物件であるため、住みやすい物件が多いです。
永住を前提として設計・建設されているため、内装の広さやキッチンの場所、浴室の広さなど、間取りもさまざまです。
家族や自分のライフスタイル、今後の人生設計を考慮し、最適な物件を選ぶことができます。

分譲賃貸のデメリット

先述の通り、分譲賃貸の物件にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
こちらでは、分譲賃貸のデメリットについてご説明します。

比較的家賃が高額

分譲賃貸のマンションは建物のグレードが高かったり、セキュリティがしっかりしていたりと、住みやすい物件が多いです。
その分、賃貸契約を行う際には、通常の賃貸物件よりも高額な費用がかかってしまうものもあります。
支払う費用のなかには毎月の家賃だけではなく、修繕積立金や管理費などが含まれます。
特に駅近物件や新築の物件などでは、高額な家賃が発生することが多いです。

期間が設けられている物件がある

分譲賃貸物件は、分譲で購入した家主の家に賃料を支払って入居する契約の物件です。
そのため、家主の都合により入居期間が短期間になってしまうことがあります。
入居期間に関するトラブルを避けるためには、あらかじめ入居可能期間を聞いておいたり、定期借家契約など入居期間に関する契約を締結しておいたりしましょう。
特に定期借家契約については、更新の可否も合わせて確認しておいた方が、より長い期間住み続けることができるようになります。

建物全体のルール・規約がある

分譲賃貸の物件には、マンションなどひとつの建物内に複数の家族が住んでいるものが多い傾向にあります。
そのため、マンション全体のルールが設けられていることがほとんどです。
たとえばごみの出し方や組合・寄合への参加、ペットの可否などです。
また物件によっては、購入者にできて賃貸契約者にはできないことが発生する場合もあります。

分譲賃貸の物件の選び方

分譲賃貸の物件の選び方
分譲賃貸住宅はほかの物件同様、不動産業者に紹介してもらうことが一般的です。
窓口での相談時に分譲賃貸住宅を希望する旨と、譲れなかったりこだわりを持っていたりするポイントがあれば合わせて伝えましょう。
よりスムーズに物件を探し、決定するためにはあらかじめインターネットで調べておくと良いでしょう。

分譲賃貸の物件に入居する際の注意点

こちらでは、分譲賃貸の物件に入居する際の注意点をご紹介します。
いずれも、事前に大家さんや管理会社、不動産業者に確認しておくことで防ぐことができるため、分譲賃貸の物件を探している方は参考にしてください。

入居が可能な期間

分譲賃貸物件ならではの注意点としては、入居可能な期間が挙げられます。
先述の通り、分譲賃貸物件は分譲で購入した本来の入居者が、諸事情により現住所を離れなければならない際に物件を貸し出す契約方式です。
そのため、本来の持ち主の都合により入居期間が左右される場合があります。

同じ間取りでも契約内容やできることが異なる場合がある

物件によっては同じ間取りでも契約内容や家賃、できることなどが異なることがあります。
そのため、「同じ間取りで家賃が安かったから契約したのに、〇〇ができない」といったことが起きてしまう可能性もあります。

独自のルールがある

物件やマンションにもよりますが、独自のルールを設けていることがあります。
たとえば子どもの見回り当番や共用部分の清掃などがあり、場合によってはルールを破るとペナルティを課せられることもあります。
入居後に後悔しないように、内覧時や紹介を受けている時に確認しておきましょう。

分譲賃貸の物件で起きやすいトラブル

分譲賃貸でのトラブル
こちらでは、分譲賃貸の物件で起きやすいトラブルを2点ご紹介します。

退去時に高額の修繕費・原状回復費用を請求された

貸主や借主の事情により、分譲賃貸の物件から出ていかなければならないことがあります。
賃貸物件から退去する際には、原状回復費用を支払わなければなりません。
その際に支払う修繕費・原状回復費用が高額だったということも少なくありません。
少しでも費用を抑えるために、できるだけ室内を傷つけないようにしましょう。

貸主に不動産の知識がない

貸主が不動産業者ではない場合、トラブル対応が遅くなったり、対応してくれなかったりすることがあります。
賃貸契約の性質上、勝手にリフォームや修理を行うことができません。
すぐに対処してほしいところですが、貸主に知識がない場合、どこに何を頼むのかから始まるため、対応が遅くなったり通常よりも高額な費用が発生したりします。

おわりに

本記事では、分譲賃貸のメリット・デメリットなどについてご説明しました。
分譲賃貸物件は、通常の賃貸物件よりも建物のグレードが高かったりセキュリティがしっかりしていたりと、好条件の物件が多い点が特徴です。
今後物件を購入する予定がない方は、分譲賃貸の物件を探してみてはいかがでしょうか。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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