賃貸物件を内覧するときのマナーと心得

賃貸マンション内覧のマナーと心得

賃貸マンションを内覧する際には、家主の立ち合いがある時もあるため、状況別に物件見学の作法と注意点をおさえておく必要があります。
案内される部屋の状態はタイミングによってさまざまで、きれいな状態とは限りません。
退去直後でリフォームや清掃前の汚れた状態、壊れたまま、賃貸の場合は少ないですが入居中の場合などもあります。
本記事では、賃貸物件の内覧時の見学マナーや注意しておきたいタブーなど部屋見学における一般的な作法をご紹介します。

状況別の物件見学 “基本マナー編”

賃貸マンション内覧のマナーと心得

一戸建てを条件に部屋探しをしない限り、案内される物件はマンションやハイツなどの集合住宅です。
自分自身が入居者になったつもりで、廊下を歩く時から足音に注意しましょう。
実家の一戸建てや分譲マンションと違い、賃貸物件は足音などが思いのほか響くものです。
完成間もない新築物件を除いては、すべての部屋が空室ということはあまりありません。
また室内に入ってからもドアの開閉音に気をつけるのはもちろんのことスイッチ類など、まだ借りてもいない部屋だということを忘れずに丁寧に扱いましょう。
また、全く気に入らなかった場合でも周囲に聞こえるような大きな声で部屋の悪口を言うような、現在住んでいる人が不愉快になる発言は止めましょう。

状況別の物件見学 “リフォーム前の部屋”

前の入居者が退去して間もない場合の内覧の場合、修繕はおろか掃除もされていない状態が大半であるため、汚れているからといってそこはお部屋の判断基準にしないようにしましょう。
前の入居者が手荒く扱っていたとしても、きっちり修繕されていれば何の問題もありません。
それ以外の間取りや広さなど部屋全体を見て候補になりそうなら、どこまで補修されるのかを確認するようにしましょう。
汚い部屋に案内されたと憤慨される方もいますが、退去後すぐに次の入居者が決まってしまう人気の物件ではよくあるため、反対にラッキーだと思うようにしましょう。
また、掃除前であるため水圧確認の為に水が流せる場合もあります。
この場合は不動産屋スタッフに一言確認しましょう。

状況別の物件見学 “リフォーム、修繕完了後の部屋”

破損個所の修繕や清掃が終わっていつでも新しい入居者を迎える準備が整った物件です。
物件によっては養生(汚れたり、日焼けしたり、傷が付かないようにするカバー)されている場合もあるため、はがしたり、水を流したりしてはいけません。
また、フローリングにワックスがかけられている場合は傷を付けないように注意して歩きましょう。
基本的にはこの状態のまま引き渡しになることが多いです。
気に入った場合で破損個所などが気になった際は、担当スタッフから家主さんなどに伝えてもらいましょう。

状況別の物件見学 “家主、管理会社立ち合いの場合”

入居希望者が部屋の内容を気にするのと同じで、家主側もどんな人が見に来ているのか気になるものです。
最近では家主立ち合いの内覧はほとんどなく、不動産屋の担当とだけで見学することが多いです。
これは家主の都合に合わせて内覧日や時間が限定されてしまうと、なかなか入居者が決まらないことや内覧希望者の本音の部分を聞きだしにくくなることなどが理由です。
そのような場合だと、家主を目の前にして本音は言いにくいものですよ。
昔ながらの家主は入居審査も兼ねて立ち会うケースもありますが、こういう場合は少し注意が必要です。
事前に担当者から一言注意はありますが、当然物件の悪口などは言わないようにしましょう。
その物件に決めようとしても家主側から断られることもありますが、必要以上に気を遣わず、普段より丁寧な言葉遣いを意識するくらいで大丈夫です。
候補になりそうなら物件に関して、気になる部分は質問していきましょう。
ただし、ここで家賃や初期費用の減額交渉は避けましょう。
一度お店に持ち帰ってから改めて担当を通して交渉するほうがスムーズです。
あまり早い段階でこういった値切りをすると家主からすれば「毎月の家賃は大丈夫かな?」という印象を持たれる可能性があります。
みなさんがより良い部屋を契約できる様に真剣に探すように、貸す側にとっても大切な財産である物件を丁寧に扱ってくれて、きちんと家賃を払ってくれる人を望んでいます。

状況別の物件見学 “リフォーム工事中の内覧”

タイミングによってはリフォーム工事の真っ最中に案内される場合もあります。
壁紙や床のクッションフロア、じゅうたんがはがされた状態だと見慣れない光景で驚くかもしれませんが、その部分は入居の際には新しくなると判断できるため、気にせずに見学してください。
ただし、材料が広げられて隅々まで確認出来なかったりほこりっぽかったりするというデメリットもあります。また、あくまでリフォーム工事が優先でそこにお邪魔しているという意識は持っておきましょう。
なるべく作業の邪魔にならないように内覧しましょう。

物件を内覧する際の持ち物

物件を内覧する際の持ち物

こちらでは、物件を内覧する際にあると便利な持ち物をご紹介します。

図面

間取りが描かれた図面は、事前に不動産業者から受け取ることができます。
図面には物件の間取りやドアの位置、収納の広さなどが記載されており、物件の大まかな状況を把握することができます。
また、現地で図面にメモを取ることもあるため、ボールペンなどの筆記用具も併せて持参しましょう。

スマートフォン

物件を内覧する際には、必ずスマートフォンを持参しましょう。
スマートフォンがあれば下記の機能を使うことができるようになります。

● 周辺施設を調べるための「地図」
● 暗いところを照らす「懐中電灯」
● 方位を調べる「コンパス」
● 注意点などを記載する「メモ」
● 物件の気になる箇所を撮影する「カメラ」

メジャー

メジャーは家具や家電を置く場所の長さや、収納の広さなどを計測するために必要です。
特に、冷蔵庫や洗濯機といった大型の家電では、候補となる入居先とサイズが合わないことが考えられます。
そのような場合は最適なサイズのものに買い替える必要があるため、メジャーは必ず持参しましょう。

スリッパ

先述の通り、前の入居者が住んでいる物件を内覧することがあります。
賃貸物件とはいえ、人が住んでいるところを汚すことは心象を悪くする原因となります。
大家さんや不動産業者が用意をしてくれていることもありますが、念のためスリッパも持参しておきましょう。

内覧時のチェックポイント

内覧時のチェックポイント

内覧時には、下記のポイントはチェックしておきましょう。

共用部分

マンションの住人が使用する共用部分には、ゴミ捨て場や駐車場だけではなく、セキュリティも含まれます。
また、複数人で入居する場合は駐輪場の台数に空きがあるのか、人数分借りることができるのかも気になるところです。
そのため、共用部分では下記のポイントを確認しましょう。

● 宅配ボックスの有無
● セキュリティ
● ゴミ捨て場の位置
● マンション自体がきれいに保たれているかどうか
● 駐車場、駐輪場

室内

室内は入居後に後悔しないように、下記のポイントを確認しましょう。

● 間取り
● 部屋の向き
● 収納スペースの広さ
● 内装
● 水回り
● 床や壁の汚れ、破損状況

汚れや破損については、入居者がいる場合や退去してすぐの場合、原状回復が行われていないことがありますが、自分が入居する前にはキレイな状態になっています。

玄関周り

下記、玄関周りで確認する箇所です。

● シューズボックス
● ポスト
● 扉の開き方

現在所有している靴が収まる大きさのシューズボックスが取り付けられているかを確認しましょう。
内部を覗くことができたり、手を入れることができたりするようなポストが取り付けられている物件には、防犯の観点から注意が必要です。
扉の開き方について、部屋の中に向かって開くタイプの扉が取り付けられている場合は、玄関に置いているものが引っかかってしまい、開かないことがあるため、内覧時には気に掛けるようにしましょう。

物件の周辺環境

内覧時には物件や建物だけではなく、近隣の環境も確認しておきましょう。
実際に行ってみると治安が良くなかった、街灯が少ないので道が暗かった、といった話もよく耳にします。
また、最寄り駅までの所要時間が、チラシやインターネットに記載された情報とは異なることもあります。
そのため、内覧時には建物付近の環境を自分の目で確認しておきましょう。

おわりに

本記事では、賃貸マンションの内覧におけるマナーや心得についてご説明しました。
内覧は部屋を借りる前の状態であるため、物件の破損や汚れに気を付けるだけではなく、入居者がいる場合は失礼のないように見ましょう。
気になる箇所はすみずみまで確認し、抱えている疑問をすべて解決してから納得の上で賃貸借契約を締結しましょう。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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