古民家の賃貸物件に住む際のポイントや注意点をご紹介

古民家の賃貸物件に住む際のポイント

古民家の賃貸物件

賃貸物件をお探しの方の中には、古民家に住みたいと考えている方もいると思います。
通常の賃貸物件と比較して、古民家の賃貸物件にはどのような特徴があるのでしょうか。
本記事では、古民家の賃貸物件に住む際のポイントや注意点をご紹介します。

古民家とは?

賃貸物件として古民家に住むメリット

厳密に古民家と定義される家屋はなく、目安として築50年以上経過した建物を一般的に古民家と呼びます。
また、「一般社団法人 全国古民家再生協会」では昭和25年時の建築基準法の制定時に建てられた、伝統的建造物の住宅のことを指します。
ここでいう伝統的建造物とは、下記のような特徴を持つ建物です。

かやぶき屋根

ススキやヨシ、藁、イネといった多年草を用いた、古くから用いられてきた屋根です。
かやぶき屋根には高い防水性や遮熱性、断熱性、吸音性を持つ一方で、耐火性が低く、台風などで飛んでしまう可能性が高い点が注意点として挙げられます。

瓦の屋根

古民家でよく見る屋根には、瓦が使われているものもあります。
瓦には粘土やセメントといった素材が使われており、いずれも断熱性や遮音性が高く、高い耐久性を持ちます。
しかし、瓦のメンテナンスの際には現在貼られているものをすべて取り外し、新しい瓦に貼り替えるため多額の費用が必要となります。

土間や太い梁がある

古民家には床板を敷かず地面がむき出しになった土間や、柱同士や壁の間を水平につなぐ梁が多く用いられています。
素材がそのまま使われているため、ぬくもりを感じることができる一方、害虫被害や自然災害といった問題にさらされる可能性があります。

木造軸組工法で建てられている

木造軸工法とは、柱と先述の梁を使用して家屋を立てる工法で、法隆寺や五重塔といった重要文化財などにも用いられています。
建築費用をおさえられ、間取りの自由度が高い一方、シロアリ被害や耐火性といった課題があります。

賃貸物件として古民家に住むメリット

賃貸物件として古民家に住むポイント

こちらでは、賃貸物件として古民家に住むメリットをご紹介します。

昔ながらの雰囲気を楽しむことができる

古民家では現在の一般的な賃貸物件に見られるような間取りやコンクリートといった素材が使われていません。
そのため、独特な間取りや素材などで昔ながらの雰囲気を楽しむことができるのは、現在の一般的な賃貸住宅では得られないメリットだと言えます。

将来的に古民家を購入するための仮住まい

将来「古民家に住みたい」と思われている方でも、いきなり購入に踏み切る方は少ないと思います。
そのような場合、賃貸物件として古民家に仮住まいしてみることをおすすめします。
古民家に住んでみると、現在の一般的な賃貸物件と比べて良い点や悪い点などが良く理解できると思います。

リノベーションされた古民家では現在のライフスタイルに合わせやすい

一般的に古民家は築50年以上経過した物件を指すため、老朽化や劣化が目立つだけではなく、物件によっては住みにくいと言われることもあります。
そのような物件は、骨組みなどをそのままに新たな機能を付与する「リノベーション」が行われます。
古民家は木造のものが多いためリノベーションの自由度が高く、自由な間取りに変えることができます。

古民家の賃貸物件に住む際のポイント

古民家に住む際には、屋根や床、水回りなどに劣化が無いかを確認しましょう。
先述の通り、一般的に古民家は築50年以上経過した物件を指すため、さまざまな箇所が劣化している可能性があります。
特に雨風や水分にさらされることが多い屋根や床、水回りの状況確認しておきましょう。
また、瓦が取り付けられた古民家では、正しくメンテナンスされていない場合は瓦が落ちたり、入居後に割れてしまったりすることがあります。
しかし、一般の方では古民家の状況を判断するのは難しいため、より詳しく知りたい方は専門家に診断を依頼することもおすすめします。
入居を検討している古民家を専門家へ調査を依頼すると、耐震性や床下の腐食など、一般の方では気付かないようなポイントも確認してもらうことができます。

古民家の賃貸物件に住む際の注意点

入居後に問題が発覚した場合

こちらでは、古民家の賃貸物件に住む際の注意点をご紹介します。

インテリア、家具

リノベーションがされていない古民家では、床材に畳が使われていることが多く、タンスや机を置いた際にくぼんだり、家具を移動した際に跡が残ったりします。
そのため、フローリングが使われている現在の賃貸物件とは異なり、インテリアや家具には注意をする必要があります。
また、古民家は木材が多く使われているため耐火性が低い傾向にあります。
古民家に入居する際は、火器の取り扱いには十分に注意を払う必要があります。

耐震性、雨漏り

古民家に入居後、地震により倒壊してしまった、ということが無いように、入居前には必ず耐震性については確認しておきましょう。
火災保険に加入していれば被害を最小限に抑えられますが、それでも再度の引っ越し作業やケガなどが発生する恐れがあるため、今後の生活に支障をきたしてしまいます。
また、古民家の屋根や天井裏の状態によっては、雨漏りが起きる可能性があります。
雨漏りの原因は天井裏の腐食や屋根がはがれていることが原因であることが多く、一見キレイに見えても中身は腐食が進んでいる、ということもあります。

水回り

キッチンや浴室、トイレといった水回りは、特に木材が腐食しやすい場所です。
また、水分による腐食だけではなくシロアリ被害も進んでいる可能性もあり、そのような場合は業者に依頼して駆除をしてもらう必要があります。

交通の便、インフラ

現在において古民家は都心部などでは見かけず、少し離れた閑静な住宅街あたりで見かけることが多いと思います。
そのため、古民家周辺では交通の便やインフラが整っていないこともあり、生活に不自由を感じることも少なくありません。
そのような事態を防ぐために、入居前の内覧時などに最寄り駅やスーパー、コンビニといった生活では欠かせない施設までの距離を確認しておきましょう。

遮音・防音性

古民家は現在の一般的な賃貸住宅と比べて壁が薄く、防音性や遮音性が低いものも少なくありません。
また、自動車やトラックが家の近くを通った際に揺れを感じることもあります。
入居後に騒音や振動の被害に悩まないように、曜日や時間を分けて複数回内覧を行うようにしましょう。
交通量が多い昼間や、比較的静かな夜間など、時間によって異なる表情を見せることがあるため、古民家に入居する前には何度か内覧を行うことをおすすめします。

入居後に問題が発覚した場合

入居後に問題が発覚した場合

古民家に入居後、雨漏りやシロアリ被害に遭っていることが発覚した場合、自分で修理をせず賃貸業者に連絡をしましょう。
現在入居している古民家は借主の所有物ではなく、賃貸業者や大家さんの所有物であるため、勝手な改修を行うと注意をされる可能性があります。
問題が発生したあとに賃貸業者へ連絡することにより、借主は費用を負担することなく回収をしてくれることがあります。

おわりに

本記事では、古民家の賃貸物件に住む際のポイントや注意点をご紹介しました。
一般的に古民家と定義するものはありませんが、築年数が50年以上のものや茅葺屋根、土間、梁などが使われて伝統的な建築方法で建てられた物件が古民家と呼ばれます。
古民家に住むメリットには下記のようなものが含まれます。

● 昔ながらの雰囲気を楽しむことができる
● 将来的に古民家を購入するための仮住まい
● リノベーションされた古民家では現在のライフスタイルに合わせやすい

現在の一般的な賃貸物件には無い独特な雰囲気や生活を送りたい方は古民家への入居を検討してはいかがでしょうか。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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