賃貸保証ってなに、どんな役割があるの?

賃貸マンションにおける賃貸保証と役割

近年、高齢化により定年退職者が増加しています。
しかし高齢者の子息はまだまだ働ける方が多く、また親元から独立する方もいらっしゃるかと思います。
そのような方は新たに物件を探し、一人暮らしや夫婦での新生活を送られる方も多いことでしょう。
物件を借りる場合は通常、親や親戚などを連帯保証人として立てますが、場合によってはどうしても連帯保証人を立てられないことがあります。
そのような場合には「賃貸保証会社」を連帯保証人の代わりに利用します。
こちらでは、賃貸保証の役割や賃貸保証会社について詳しくご紹介いたします。

賃貸保証の役割

賃貸保証の役割

以前お部屋を借りた時は賃貸保証会社の加入が必要なかったのに今回は「加入が必要です」と言われました。なぜなんでしょう? といったお声をよく耳にします。

確かに、賃貸契約の内容に ※保証会社加入義務必須※ といった条項がよく入っています。賃貸保証会社って何のために、なぜ加入しなければならないのでしょう。

賃貸保証の役割として大きく3つ挙げることができます。

連帯保証人の代行業務

賃貸借契約を結ぶにあたり、必ず付いて回るのが連帯保証人です。連帯保証人は賃借人(契約者)と同等の責任をもつ義務を負うため、誰もが簡単に連帯保証人になれるわけではありません。一般的には親族・身内から1名たてることになります。
しかし、少子高齢化が進み親族の中で連帯保証人を立てる事が困難になる方が増えてきたのも
事実です。日本の賃貸借契約は連帯保証人を立てることを前提としているため、契約の慣習と
社会の実態にズレが起こってしまっているのが現状です。
そこで連帯保証人と同等の義務を契約によって代行する『賃貸保証』という仕組みが作られました。

※地域によっては連帯保証人たてて、さらに賃貸保証会社の加入が義務付けられるケースもあり
ますので、契約内容をご確認ください。

未納家賃の立替業務

端的に説明すると、《家主様への滞納保証》です。賃貸経営をする家主さんにとって、家賃滞納は切っても切り離せない大きなリスクです。家賃滞納が起こった場合、連帯保証人からの費用回収の手続きが長期に渡ることも少なくありません。もし入居者さんに賃貸保証に加入してもらっていれば、これらの費用回収や手続きは保証会社が行ってくれるため、家主さんは安心して賃貸経営を行うことができるのです。

万が一家賃滞納が発生すると、保証会社から滞納金が支払われ、滞納してしまった入居者様は未納金を保証会社に支払うといった流れになります。

入居審査

上記連帯保証人の代行業務、未納家賃の立替業務の役割を保証会社が担う以上、保証会社が入居者の支払い能力の有無を審査します。家主さん自身が行う入居審査の内容と大部分が重複するため、賃貸保証加入の審査が通ることが入居審査の条件としている場合が多くあります。
つまり賃貸保証会社とは、不動産会社の保険の役割を担う会社といえます。
先述でも少し触れましたが、通常、不動産を借りる場合は親や親戚といった連帯保証人を立てることが一般的です。
しかし、親が高齢・無職だった場合など、どうしても連帯保証人を立てられない、立てるのに気が引けるという場合は賃貸保証会社に依頼します。
もしも家賃滞納が発生した場合、借主の代わりに家賃を立て替えて管理会社・大家さんに支払います。

保証会社加入によるメリット

こちらでは、保証会社に加入したことによるメリットが発生した事例をご紹介します。

賃貸物件を前より気軽に借りることができるようになりました

連帯保証人を頼むのも気が引ける・・・なんて方も、賃貸保証に加入することで気軽に賃貸マンションが借りられるようになりました。
家賃を滞納することがないように収めることは前提として、万が一支払えなくなった場合は賃貸保証会社が立て替えてくれます。
そのため、保証料を支払う必要はありますが、不動産会社の信頼を得られたため借りることができたのだと思います。

敷金相場が格段に安くなりました

以前は賃貸マンションを一部屋借りるのに、敷金2ヶ月、礼金3ヶ月など、かなり高額な費用が必
要とされていました。ワンルームマンションを借りるのに、総額40~50万円などもざらにあったのでは
ないでしょうか?
敷金の性質が、家主業を営むオーナー様に対しての担保金の意味合いを含む為、大きなリスクのひ
とつ、《家賃滞納》を回避するために高額な設定をされてきました。保証がない場合、たとえ1ヶ月分
の未納があったとしても、居住権の強さから、立ち退きを求める事も出来ず、かといって入居審査を極端に厳しくすることも出来ず・・・。そんな悩みを家主さんは抱えてきました。その為に取られた対策が、高額な敷金礼金の支払いであり、その事が借り手には賃貸マンションの敷居の高さにもなってきたはずです。
そんな中、賃貸保証業ができたことで、《滞納保証業務》を行うことにより、家主さんの頭から家賃
滞納リスクがなくなった為に、高額な敷金礼金の支払いが不要になってきました。以前は敷金礼金
なしのマンションなど考えられなかったのが、ワンルームなどでは《敷金礼金なし物件特集》などが組ま
れる程に格段安くなってきました。借り手側にとっても、賃貸マンションの敷居が非常に低く、お手軽に借りられるようになったのも事実です。

入居者層の一定化

女性の方など、一度は近隣入居者層に関して気にされたことなどあるのではないでしょうか?
これまで、入居前審査は家主様が入居申込書を見て、半分直感による審査を行ってきました。
特別な調査などなく、空室を埋める為に誰でも受理してしまうケースも多々見受けられました。その結果、入居後の近隣トラブルに繋がり、最後に迷惑を被るのは入居者様自身などの例もたくさんありました。
賃貸保証会社の加入が義務付けられることにより、保証会社が専門機関にて入居前審査を行いますので、入居者層の安定が図られるようになったのです。

保証会社は自身で選べるのか?

保険の加入
このように、連帯保証人を立てられなくても不動産を借りることができる賃貸保証会社。
さまざまな企業がある中、自身で保証会社を選択できるのでしょうか?
結論から申し上げると、仲介不動産会社や管理会社から指定されるため、自身で保証会社を選ぶことはできない場合が多いです。
というのも、保証会社は不動産会社や管理会社と代理店契約を結んでおり、代理店経由でないと契約ができないためです。
なので、手数料が安い保証会社を自身で見つけられても、その保証会社を利用できない場合があるのです。
契約の際には、その保証会社を利用できるか否かを不動産会社や管理会社に確認しておくと良いでしょう。

保証会社の審査内容

賃貸保証について
審査の内容は明らかにされていませんが、通常の賃貸契約と同様、収入や勤続年数、雇用形態などを確認されます。
必要書類は在籍証明書や賃貸保証会社用申込書、運転免許証・健康保険証などの身分証明書、源泉徴収票や給与明細書などの収入証明などになります。
審査時に厳しくみられる箇所は過去の家賃滞納履歴です。
過去に滞納履歴がある場合は信用調査で大きくマイナスとされますので、審査を通過できない場合があります。

おわりに

今回は賃貸マンションにおける賃貸保証と役割についてご紹介しました。
賃貸保証会社とは、連帯保証人を立てられない場合に依頼をする、いわば不動産会社の保険業者のような働きをする会社です。
保証会社が入ることで上記のように連帯保証人の代行業務のほか、未納家賃の建て替え業務、入居審査に通りやすいなどさまざまな役割があります。
保証会社加入によるメリットは賃貸物件を借りやすくなる、敷金相場が安くなる、入居者層が一定化するなどが挙げられます。
しかし、保証会社は通常不動産会社や管理会社と契約しているため、個人間で契約を行うことができません。
そのため、安い金額の保証会社を見つけても利用できない、ということが起こります。
もしもその保証会社を使用したい場合は、使用の可否を不動産会社や管理会社に確認しましょう。
審査内容は通常の賃貸契約と同様、収入や勤続年数、雇用形態などを確認されますが、家賃滞納履歴はかなり厳しく見られますので、過去に滞納履歴がある場合は審査を通過しない可能性があります。
前提として、自身の収入内で支払いができる、また家賃は滞納しないように支払いをする必要があります。
連帯保証人や保証会社は「名前だけ借りる」といった心構えで部屋を借りたいものです。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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