賃貸物件でテレビを壁に掛けるための方法や注意点をご紹介

賃貸物件でテレビを壁に掛けるための方法

テレビを壁に掛ける

賃貸物件に入居している方の中には、テレビを壁にかけたいと考えている方もいらっしゃると思います。
しかし、賃貸住宅では壁に穴を開けたりキズを付けたりすると、原状回復費用が必要となるため、大掛かりなDIYは控えたほうが良い場合が多いです。
本記事では、賃貸物件でテレビを壁に掛けるための方法や注意点をご紹介します。

賃貸でもテレビを壁掛けできる?

賃貸でもテレビを壁掛けできる

結論として、賃貸物件でも壁にキズをつけることなくテレビを掛ける方法があります。
詳しくは後述しますが、こちらではテレビを壁掛けする際に必要な作業や注意点についてご紹介します。
テレビを壁に掛ける一般的な方法は、ネジやビスを壁に固定して取り付けることが挙げられます。
ただし、一般的な物件の壁に使われている石膏(せっこう)の強度が足りないため、一度壁を切り抜き、補強材を入れてからネジやビスを固定します。
賃貸物件によってはそもそも壁にネジやビスを使用してテレビを取り付けることができない、ということもあります。
また、壁に穴を開けた際には、入居前と同じ状態に戻す「原状回復」が必要で、敷金で不足している場合は追加費用が発生します。
賃貸物件でネジやビスを使用してテレビを取り付ける場合、原状回復費用が発生する前提で大家さんや管理会社に相談する必要があります。

テレビを壁に掛けるメリット

テレビを壁に掛けるメリット

こちらでは、テレビを壁に掛けることによるメリットをご紹介します。

部屋のスペースが広がる

テレビを壁に掛けることで、テレビ台が不要になるだけではなく、配線も壁内に埋め込まれるため、部屋全体をスッキリとした印象にすることができます。

掃除がしやすくなる

テレビを壁に掛けると、テレビ台が不要となるため床掃除がしやすくなります。
また、テレビ台が無いためホコリが積もることも無くなり、掃除をする箇所が減ることも大きなメリットのひとつです。

視聴時に起きる体の負担を軽減することができる

テレビ台にテレビを置くと、最適な高さに合わせられないことがあり、視聴時に首や腰など、身体に負担がかかることがあります。
最適な位置でテレビを壁に掛けるとテレビ台による高さの制限がなくなるため、身体への負担が軽減されます。

地震などの転倒対策ができる

テレビ台を使用した場合、地震が発生した際には倒れるだけではなく、テレビの下敷きになってしまう可能性があります。
そのような問題は、壁にテレビを掛けることで解決することができます。
テレビは壁に固定されているため、地震による被害が起きにくくなります。

子どもやペットのけがを防ぐことができる

子どもやペットがいる家庭では、テレビやテレビ台にぶつかってケガをしたり、テレビを倒してしまったりということがあります。
そのようなトラブルも、壁にテレビを掛けることで防ぐことができます。

原状回復について

先述の通り、テレビを壁に掛ける一般的な方法はネジやビスを使用することです。
しかし、賃貸住宅では退去時に入居時と同じ状態に戻す「原状回復」という義務があります。
そのため、壁面を改造したり穴を開けたりした際には、原状回復費用を請求されることがあります。
原状回復費用は敷金から充当されますが、敷金以上の支払いが必要な場合追加で支払わなければなりません。
下記、原状回復費用が求められない場合と、原状回復が求められる場合の一例です。

原状回復が求められない場合

ホチキスの穴など、壁に開く穴の大きさが小さく、壁内の石膏に深く入り込まない場合、原状回復は不要です。
これらは後述する法改正によって、日常生活を送るうえで発生するキズや汚れとしてとらえられるためです。
その他、原状回復が求められないものには、家具の設置による床やカーペットのへこみ、地震で破損したガラスなども原状回復に含まれないため、大家さんや管理会社の負担となります。
ただし、法律で定められていても物件によっては壁面の改造を許可されないこともあるため、不安があるようでしたら大家さんや管理会社に確認しておきましょう。

原状回復が求められる場合

ネジやビスといった、壁に大きな穴が開き、壁内の石膏に深く入り込むような場合は原状回復が求められます。
これらは日常生活において発生するキズとしてはとらえられず、場合によっては建物の安全上、石膏の部分を取り替える必要が発生するためです。
その他、原状回復が求められるキズや汚れには、タバコのヤニやニオイ、引っ越し作業で生じたひっかき傷、ペットによるキズやニオイなどが挙げられます。

改正前後の賃貸借契約に関する民法のルール

2020年4月1日から、「賃貸借契約に関する民法」の一部が改正されたものが施行されました。
今回の法改正では、下記の見直しが行われました。

賃貸借継続中のルール

● 賃借物の修繕に関する要件の見直し
● 賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化

賃貸借終了時のルール

● 賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化
● 敷金に関するルールの明確化

賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール

従来では不明確だった部分や、借主が不便を感じていた部分が法改正によって明確になりました。
たとえば、改正前の原状回復については、日常生活を送るうえでのキズや汚れ、経年劣化なども原状回復費用として請求されることもありましたが、改正後にはそれらは原状回復の範囲外となる旨が明確になりました。

出典:法務省賃貸借契約に関するルールの見直し(https://www.moj.go.jp/content/001289628.pdf)

原状回復が発生させずにテレビを壁面に設置する方法

原状回復が発生させずに設置

こちらでは、テレビを壁に掛ける方法をご紹介します。

つっぱりポールを利用する

1本~2本のつっぱりポールを使用したテレビスタンドを使用することで、壁面を一切傷付けずにテレビを壁面に設置することができるだけではなく、壁の材質を気にせず、キットになっているものは組み立てが簡単な点がメリットです。
つっぱりポールタイプのテレビスタンドを使用する場合は、地震にも耐えられるようにしっかりとつっぱるよう設置しましょう。

壁寄せ型のテレビスタンドを使用する

壁寄せ型のテレビスタンドは従来のテレビスタンドとよりも幅が狭く、テレビを置かずに掛ける形式であるため、壁面にかけたような見た目にすることができます。
床に置くだけで設置が可能なため、配置換えがしやすい点もメリットと言えます。

テレビを壁に掛ける際の注意点

テレビを壁に掛ける際の注意点

テレビを壁に掛ける際の注意点としては、下記の2点が挙げられます。

テレビを買い替えたときの再設置

現在使用しているテレビが壊れたり、古くなったりして買い替えた場合は壁から外して新しいテレビを取り付ける作業が発生します。
テレビ台に設置している場合は置き換えるだけで済みますが、壁にかけている場合は部品の取り外しやコードの取り外しなど、さまざまな作業が必要となります。

AV機器を追加したときの設置、配線

オーディオやDVDプレイヤーといった、AV機器を取り付ける際にはコードを取り付けます。
コードが外側に出ていても問題ない、という方はそのまま取り付けますが、部屋をスッキリさせたい、という方はAV機器をつなぐコードも隠したいことでしょう。
そのような場合、新しいコードを壁内に通さなければならないため、大掛かりな作業が必要となる場合があります。

おわりに

本記事では、賃貸住宅でもテレビを壁に取り付けられるのかについてご説明しました。
結論として、壁に穴を開けなくても壁面にテレビを設置することが可能です。
壁にテレビを設置して、広い空間で生活を送ってみてはいかがでしょうか。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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