【テナント基礎知識】テナントとは何か?形態の種類もご紹介

【テナント基礎知識】テナントとは何か?

テナントとは何か
「テナント」という言葉を耳にしたことはあっても、実際どのようなものかしっかりと分かっていないという方も多いのではないでしょうか?
本記事ではテナント基礎知識としてテナントとは何か、またテナントの形態の種類についてもご紹介していきます。

そもそもテナントとは?

そもそもテナントとは
そもそもテナントとは、ショッピングモールやオフィスビルなどの一区画に建物のオーナーや運営者と賃貸契約を結んで入居する借主、もしくは入居している店舗・事務所自体を意味しています。
本来テナントという言葉は、土地・建物の貸借人や貸借権保有者を意味するものとして使用されるのですが、近年では物件に入居する事業所や店舗を示す言葉として使用されることが多いです。

テナント形態と特徴

テナント形態と特徴
テナント形態と特徴についてそれぞれご紹介します。

店舗

店舗というのは、不特定多数の来客を想定した上で利用される物件形態を意味しています。
一口に店舗とは言っても必要な面積や立地はさまざまで、店舗の代表例としては飲食店やコンビニ、美容院などが挙げられます。

ただ、どの形態であっても火災・設備故障といったトラブルがつきものであるため、保険加入しておくことをおすすめします。

飲食店

飲食店は非常に需要が高く、入れ替わりも激しいことが特徴として挙げられます。
そのため、廃業率も高いことが難点です。
以前のテナントの設備・家具といったものが残されたままになっている居抜き物件の場合、テナント退去後も次の入居者が見つかりやすい傾向にあります。

コンビニ

安定的な収益を見込むことができる上、立地を選ぶこともほとんどありません。
大通り沿いに面している土地や、駐車場が確保されている土地の場合、一層安定的な収入を期待できるでしょう。

美容院

火災などのトラブルは発生しにくいですが、廃業率が意外と高いのが美容院です。
一方で需要は高めであるため、テナントの誘致はしやすい傾向にあります。
店舗の設備・内装に資金が要されるため、飲食店同様に居抜き物件の人気が高いとされています。

オフィス

オフィスは需要が高い傾向にあり、長期的に安定した収益を期待することができます。
駅近・都心部などのアクセス面に優れた場所であれば、高額な賃料で貸し出すことも可能です。
近日にエリアの土地開発が行われる例も多くあるため、オフィスの開業を検討している際にはそのような情報を収集しておくことも大切です。

倉庫

アクセスがそれほど良くなく、少ない人通りの土地である場合、倉庫・工場を誘致するのがおすすめです。
一度契約すれば長期的な契約となりやすいため、収益も安定的な状態になると言えます。

テナント経営におけるメリットとは?

テナント経営におけるメリットについてご紹介します。

初期費用を抑えられる

テナントを経営する際には、建物を建てず土地を貸すだけで経営を始めることができるため、初期費用を大幅に抑えることができるのが魅力です。
建物を建てるという場合でも各設備をそろえる必要が無いため、マンションを経営する際と比べると初期投資は少ないという特徴があります。

収益性が高い

テナントを経営するにあたっての最大のメリットは、収益性の高さであると言えるでしょう。
テナントの方がマンションを経営するよりも1.5~2倍ほど賃料が高いため、高い収益が期待できます。
景気が良ければ、賃料も上げやすいというメリットがあります。

保証金制度が受けられる

テナントを経営する際は、保証金制度というものが受けられます。
家賃の6~12ヶ月分の保証金を受け取ることができ、家賃滞納や原状回復が必要になった際の補填目的で預かる制度です。
マンション賃貸の敷金は通常「原状回復」のために使用され、残った金額は借主に返す決まりがありますが、テナントの保証金は使用されずとも返却の義務というものはありません。

原状回復の資金不要

マンション経営の場合、退去後の部屋の原状回復は主に貸主が行いますが、テナント経営の場合、原状回復は借り主が行うため、貸主は原状回復のための資金が必要ありません。
もし借主が原状回復できなかったら、貸主は保証金で原状回復させることができ、自己負担することはありません。

転用しやすい

テナントの経営では、契約期間を決められる定期借地契約が結べるほか、賃貸住宅よりも立地・周辺施設の影響も受けづらいため、転用しやすいというメリットがあります。
賃貸住宅はスーパーや病院の有無に加えて、アクセス面や駅近であるかなどの差が生まれるため、賃料や入居率も変わってきますが、テナントであればそこまで重要視されることがありません。
定期借地契約を結べるという点から、契約終了後も計画を立てやすいというメリットがあります。

テナント経営で注意したいポイントとは?

テナント経営で注意したいポイント
テナント経営で注意したいポイントについてご紹介します。

景気に左右されやすい

テナントの経営は景気に左右されてしまいやすいと言われています。
テナントの形態が店舗である場合、売上が悪くなるとテナントの賃料を支払えず、退去しなければならない場合があります。
それに伴って新しい入居者も減ってしまい、空室のリスクも高くなってしまうと言えます。

地震保険の加入対象外

地震保険とは、地震・噴火・津波などの影響で家屋が損壊・火災・流失することによる損害を補償してくれるものです。
しかし地震保険に加入できるのは住居用の建物のみであり、テナントは加入できません。
店舗総合保険など、地震危険保障特約をつけられることもあるため、気になる方は検討してみることをおすすめします。

金融機関の審査が厳しい

テナント経営に対しての融資審査は、資金力・担保力・経営状況・実績など審査内容が細かく分けられており、審査基準も非常に厳しいものとなっています。
取り扱っている金融機関の数や融資の種類も少ない上、店舗やオフィスなどのテナント物件に向けては融資を行っていないところも少なくありません。

テナント経営を始める流れ

テナント経営を始める流れ
テナント経営を始める流れについてご紹介します。

ステップ①|土地の用途区域を確認する

用途区域とは、法律で決められた土地の用途に関する制限・ルールです。
この中でも市街化調整区域にテナントを建築することは不可とされているため、注意しなければなりません。
用途区域によって、建築物の種類や面積には制限がかかるため、管轄の役所で確認するようにしましょう。

ステップ②|ニーズを調査し、ターゲットを決める

どういった方向でテナントの募集を行うかを考え、ニーズに関しての調査を行い、テナントのターゲットを決めなければなりません。
周辺のテナントに入っている事業者を確認するようにし、ターゲット設定するという方法もあります。

ステップ③|テナント経営を委託するパートナー会社を決める

テナント管理・手続きを委託する場合、継続的にお世話になれるパートナー会社を選ぶようにしましょう。
パートナー会社はテナントの募集・管理・手続きまでをすべて担当するため、信頼がおけることはもちろん、実績がある会社を選ぶのがおすすめです。
テナントの経営に力を入れている会社を探すようにし、その会社が行うテナント募集の方法を調べてみるようにしましょう。

おわりに

本記事ではテナント基礎知識としてテナントとは何か、またテナントの形態の種類についてもご紹介しました。
テナントの経営は初期投資が少ない傾向にあり、高い収益が見込めるため経営のメリットが大きいと言われています。
一方で、注意すべき点やリスクがあるのも事実です。
メリットと注意点についてきちんと理解した上で、テナント経営を検討してみてくださいね。

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著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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