【オーナー様必見】悩みを解決! いますぐできる騒音対策とは!?

オーナーのお悩みを解決!いますぐできる騒音対策

日常生活はさまざまな音に溢れている。住宅内での音の種類や伝わり方の正しい知識を持って、適切な騒音対策をしよう。

構成・取材・文/馬場敦子 デザイン/KItoKA(久須美雅代)

音の伝わり方によって対策を変える必要がある!

空気伝搬音

窓や界壁を通して空気の振動で伝わる音のこと。テレビの音や楽器、話し声などは空気の振動で伝わるため、カーテンや壁などの障害物が多いほど小さくなる。
空気伝搬音の遮音性能は、「D値」で表し、数字が大きいほど性能が高い。隣戸との界壁については、一般的な木造アパートではD30以下が多い(マンションはD45-50程度)。
共同住宅では日本建築学会が定める性能基準等級の3級にあたるD40程度は欲しいところだ。

固体伝搬音(床衝撃音)

歩いたり、物を動かしたりして床が直接振動し、下の階に響く音のこと。空気伝搬音と違って壁や床を厚くしても音は伝わってしまうが、振動を吸収する建材で、ある程度は和らげることが可能だ。
音圧レベルを示す「L値」の数字が小さいほど遮音性能が高く、木造アパートではL70-75程度(マンションはL40-50程度)が一般的だが、日本建築学会が定める集合住宅の性能基準等級で、3級にあたるL60程度までは性能を高めたい。

木造よりもRC造の方が静かというわけではない!

賃貸アパート・マンションに多いRC造(鉄筋コンクリート造)とS造(鉄骨造)を比較すると、防音性についてはRC造の方がS造よりも優れている。上下階や隣室の生活音を遮断するにはコンクリートが不可欠で、ある程度の厚みが必要となる。最低でも150㎜程度のスラブ厚がないと、音の問題は解消されない。RC造やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)であれば、壁や床に使われるコンクリートが音をある程度遮断する。
しかし、足音や家具を移動する音などの固体伝搬音はRC造でも伝わってくる。RC造の建物でも、隣戸との間の壁が骨組みに石膏ボードを張って、間にグラスウールなどを入れているケースでは、遮音性能が十分でない場合もある。S造の防音性はRC造やSRC造と比べると低く、ある程度の生活音は聞こえてしまう。
また、S造と同様、木造はRC造やSRC造のような遮音性は望めない。S造でも、厚さ6㎜以上の鋼材を使った重量鉄骨造であれば、木造よりも優位性がある。ただし、防音対策の講じ方によっても、防音性能が異なることを理解しておこう。

話し声などの「空気伝搬音」に効果的な対策

防振ゴム

室外機からの音を防ぐのにおすすめ。室外機音の原因は長年の使用による影響とエアコン振動が考えられ、壁や床からの振動によって共振する。床と室外機の間にゴムを噛ませることで室外機の振動を吸収し、床や壁に伝わることを防ぐ効果がある。室外機自体の振動を止めるわけではないため、室外機を壁にピッタリと付けずに、少し離して置くことで振動が伝わりにくくなる。

防音テープ・遮音テープ・隙間テープ

遮音シートをテープ状にしたものを貼ることで隙間を塞ぎ、室外からの音を室内に入れず、室内の音を外に漏らさない。完全に遮音できるわけではないが、コストもかからず手軽にできて、他の対策と併用することで効果を高めることも可能だ。

吸音材

壁を防音仕様にする際は大掛かりな工事が必要になるが、吸音材は簡単に設置可能なものもある。最近ではフェルトタイプもあり、プロでなくても設置のしやすい商品が増えている。軽くて壁に取り付けやすい上に吸音効果も高いため、手軽に防音性能をプラスすることができる。
また、反響音を抑制することもできる。「良質な音で映画を楽しみたい」「音楽鑑賞専用の部屋にしたい」といったニーズを持つ入居者にもアピールできるポイントとなるだろう。

内窓

窓から入ってくる音は、窓ガラスから伝わるものよりも、サッシの隙間から入り込んでくることが多い。密着性の高い内窓を設置することで、既存の窓とサッシの隙間から抜けていた音を遮ることができる。

防音カーテン・遮音カーテン

窓を伝わって聞こえてくる外の音が防げる。カーテンのある部屋で生じた音が外に漏れるのを効果的に防ぐことができるほか、窓を伝わって聞こえてくる外の音も防げる。遮音テープ・隙間テープと併用することによって、より高い防音効果が期待できる。
また、通常のカーテンと比べると厚みがあり、UVカットや遮光、断熱などの機能が備わったものも販売されている。ただし、機能性が高いものほど価格も高くなる傾向にある。

足音などの「固体伝搬音(床衝撃音)」に効果的な対策

防音マット・遮音マット(遮音フローリング)

床に貼ることで、階下に足音などが伝わるのを防ぐ。さまざまなサイズが販売されているので、廊下や部屋などの広さに合ったものを選びやすい。単体での使用よりも、クッションフロア、フェルト、遮音制振マットなどと組み合わせれば、効果もより高くなる。

防音カーペット

床一面に敷き詰められるため、高い防音効果が期待でき、手軽に取り入れられる。選ぶ際はカーペット自体に防音性があるかどうかと、はっ水加工などのオプション機能が付いているかを確認すると良いだろう。また、床衝撃音レベルを見ての判断もおすすめ。床衝撃音レベルは特級から1級、2級、3級まである。選ぶ際は、2級以上の商品を選ぼう。

防音対策は、それぞれの音源の特性を踏まえたうえで、「吸音」「遮音」「制振」の3ポイントを適切に組み合わせると、より効果を高めることができる。

遮音 音の侵入や漏出を防ぐこと。
質量が大きくて厚い素材ほど遮音性能が高い。
吸音 音を反射させずに吸収することで、通過する音を減らす。多孔質の素材が適切。
制振 固いものが振動することによる音の伝搬を抑えること。クッション材などで音の伝道を遮断。

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

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