物件の魅力アップ【ホーム ステージング】-その1-

物件の魅力アップ【ホーム ステージング】-その1-

ホームステージング後のお部屋例

家(ホーム)+ステージング(舞台)で暮らしの提案

なんの変哲もない物件もホームステージングによって新居のワクワク感溢れる部屋に!

『ホーム(家)』+『ステージング(舞台)』これらの言葉を組み合わせたのが『ホームステージング』。
ホームステージングとはインテリアや装飾の力を使って物件の価値を最大限に引き出すこと。1970年ごろにアメリカで始まり、家を売却する際には家主や依頼を受けた専門家が一般的に行うものとなっています。

今回は一般社団法人日本ホームステージング協会代表理事である杉之原富士子氏に、ホームステージングの具体的な活用法や効果について伺いました。

間取り図
杉之原 冨士子
【プロフィール】

杉之原 冨士子(すぎのはら ふじこ)

一般社団法人日本ホームステージング協会 代表理事2011年女性だけのお片づけ会社を立ち上げる。多くの現場で経験した、様々な住まいや暮らしに関わる社会的な問題。その問題を解決に導くホームステージングの普及と人材育成を目的に、2013年日本で唯一、ホームステージングの知識やスキルを総合的に学べる一般社団法人日本ホームステージング協会を設立。

【出演】

NHK「あさイチ」・テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」・TBSテレビ「がっちりマンデー‼」産経新聞コラム「暮らし替えの道しるべ」連載中
その他雑誌メディア出演多数

【著書】

「おひとりさま最後の片づけ」(講談社)2023年3月発売 / 「いつ死んでも後悔しないお片づけ」(PHP研究所)発行部数6万部突破 / 「ディズニー マイストーリーノート」(講談社)等

空き室対策にホームステージングは効果がある?

ホームステージング後の例

ホームステージングで一番大事なことは、内覧者様がドアを開けた時に「この部屋に住みたい」とワクワクできる物件にすることです。
特に、変形の物件にホームステージングは最適です。敬遠されがちな変形物件ですが、なぜ敬遠されるのかと言うと、三角形や細長い物件だった場合、「家具をどこに置いたらいいのか?」など想像し難く、どう暮らせばいいのかイメージが持てないからです。そこで、ホームステージングを施し、暮らし方を提案することが出来ます。
特殊な間取りが原因で空き室が続いている場合、家賃を下げることよりも、ホームステージングをうまく活用して物件価値を上げ、逆に家賃を上げることを考えてみてほしいと思います

いくらくらいかかる?費用対効果は?

『ホームステージング白書2022(ホームステージング実態調査アンケート)』によると

  • ホームステージングをした理由 入居しにくい物件または長期空室部屋だったため 71%
  • かけた費用 5万円未満 62%
  • 1か月以内に成約達成 71%

(賃貸仲介事業者へのアンケート)

賃貸物件の場合、ホームステージング費用は5万円未満が主流です。これは、家賃1ヶ月分が目安と言えます。 70%近くが1ヶ月以内で成約していると考えれば、家賃1ヶ月分をかけて試す価値は大いにあると思います。

誰に頼む?自分でもできる?

ホームステージャーという専門家がいます。我々のホームステージング協会ではホームステージャーの育成のための認定講座も開催しています。専門家にお任せいただくか、こういった講座を受けて専門知識を学ばれることをお勧めしたいところではありますが、オーナー様ご自身でもできることはあります。
組み立てや設置が簡単で、コンパクトに畳めて収納に困らない、賃貸物件に適した家具(プラスチック段ボール)や、百円均一などで購入したインテリアで簡単なホームステージングをすることも可能です。

ただ、これらをただ置いただけでは物件の価値が上がったとは言えません。
物件を建てる際、間取り・窓・出入口など、入居者様の暮らしを想像したはずです。物件の生みの親であるオーナー様の中にあるイメージを表現し、部屋の良さを最大限に引き出してみましょう。
内覧者様はお客様です。初めてお会いするお客様に汚れた洋服で顔も洗わずお会いすることはないと思います。ベストな状態の自分を売り出す必要があります。賃貸物件は商品であり、対価を支払ってもらうための最高の商品演出をすると考えましょう。

ホームステージングのビフォーアフター

ホームステージングは共用部分の清掃から

ホームステージングは室内だけではなくエントランスから始まります。共有部分がきちんと管理されていて、内覧者様が気持ちよくお部屋に向かわれる事から始まるホームステージングは〝片付け→掃除→インテリア装飾〟の流れが基本になります。部屋を飾りつけただけでは内覧者様の心に響きません。
内覧が決まれば窓やドアの汚れ、部屋の匂いなどもしっかりと対応が必要です。
また、部屋を明るく見せるため、間接照明などを設置することでぐっとお部屋のイメージがアップします。

忙しい現代人には物件の第一印象が重要

2023年、スマートフォンで物件検索をする人は93%以上と過去最高となっております。その中で物件を契約した人が検討時に問い合わせた不動産会社は平均3.1社で、物件数は平均4.9物件。

(出典:不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)2023年10月27日ニューリリースより)

膨大な情報量のスマートフォンでスピーディーに物件を探す現代の入居希望者にとって、写真の第一印象は特に重要と言えます。
室内写真を見たとき、ホームステージングされて暮らしが想像できる物件とそうでない物件、どちらを選ぶ可能性が高いでしょうか?
まずは物件写真だけでもホームステージングを取り入れてみるのも良いかもしれません。

ホームステージングのビフォーアフター
増本 恵
【インタビュアー】

増本 恵(ますもと めぐみ)

インテリアコンシェルジュMEGU代表
フリーランスのインテリアコーディネーター
女性ならではの提案と専門知識を備えたインテリア提案・リノベーション提案を行っています。38年間建築業界勤務。
2級建築士・インテリアコーディネーター・増改築相談員etc資格保有

著者情報

賃貸住宅サービス

賃貸住宅サービス住まいのお役立ち情報編集部 株式会社グラート

お客様が安心してお部屋探しができるように、住まいのお役立ち情報をお届けしています。